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米国の企業会計不信で、証券会社などへも不信が高まっている米国で、新たな疑惑が持ち上がってきた。18日付の米紙が、米証券大手のソロモン・スミス・バーニーが、ワールドコムの前経営者らに、値上がり確実な新規公開株を特別に割り当てていたと報じた。経営者らは公開直後に急騰した株式を売却して、多額の利益を上げたとされる。
18日付のニューヨーク・タイムズとウォールストリート・ジャーナルによると、不透明な新規公開株割り当ては、不当解雇を巡って同社と係争中の元社員が明らかにしたもの。それによると、ソロモンなどが新規株の売り出しを担当した、高速データ通信のリズムズ・ネットコネクションズが99年4月に株式公開した際、ソロモンはビジネス案件の獲得を目的に、ワールドコムのエバース前最高経営責任者(CEO)など5人の通信大手幹部に、株式を割り当てたという。
株式の募集価格は1株21ドルだった。ソロモンの花形通信アナリスト、ジャック・グラブマン氏が中心的な役割を果たす形で割り当て、グラブマン氏が株式公開直後に「強い買い推奨」との分析を出したこともあって、株価は90ドルを超えた。エバース前CEOらは高値で売り抜けて、多額の利益を得たという。リズムズ・ネットコネクションズは株式公開の2年後に経営破綻(はたん)した。ソロモンは疑惑を否定しているという。
ワールドコムの巨額不正経理を巡る8日の下院公聴会では、出席したグラブマン氏は、ワールドコム幹部への新規公開株の割り当てについて「思い出せません。『違う』ということでも『その通りだ』ということでもなく、ただ思い出せないんです」と繰り返した。
専門家によると、新規公開株の割り当て自体は問題にはならないが、別のビジネスでの便宜供与を目的としている場合は、違法になる可能性があるという。
値上がり確実な株を、特別に関係者に割り当てる手法は、88年に日本で起きた「リクルート事件」の際に問題になった手法だ。米金融界では、米大手証券と一部の有力顧客との間の不透明な関係が長年、ささやかれているが、こうしたことが事実とすれば、一般投資家からの不満が高まるのは避けられないものとみられる。(12:39)