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経済産業省が民間企業・団体とともに推進する燃料電池の実用化プロジェクトの内容が明らかになった。来年初めから燃料電池車の自動車メーカー共同による公道走行試験を始めるほか、「水素供給施設」「自家発電設備」の実証試験を行う。21世紀の中心的クリーンエネルギーとして注目される燃料電池分野の“関連銘柄”が浮き彫りになってきた。
●自動車は内外5社が走行試験
経産省は2004年度までに実証試験を行い、実用化へのデータをまとめるとともに、国内外に公表する計画。予算は、今年度だけで約25億円を確保している。実証試験への参加企業・団体は公募したうえで選定した。
まず、燃料電池車の公道試験については、トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>の日本勢3社のほか、ダイムラークライスラー、GM(ゼネラル・モーターズ)の合計5社となる。このうちトヨタとホンダは、世界で最も早く今年末にはリースによる市販も開始する計画であり、このプロジェクトとは別に政府が両社から燃料電池車を購入することになる。
●石油元売り、ガスなどが供給施設
水素供給施設は自動車向けステーションとなるもので、都内および神奈川県に5カ所設置する計画。エネルギーや酸素関連企業が名を連ねている。供給方式は、純水素(液体水素)を供給するタイプからLRG(液化石油ガス)、ナフサを利用する方式など5カ所で全て異なる試験を行う計画だ。
純水素の施設は昭和シェル石油<5002>と岩谷産業<8088>が担当、LPG利用は東京ガス<9531>と日本酸素<4091>の担当となる。また、ナフサ利用は新日本石油(旧日石三菱)<5001>、脱硫ガソリン利用はコスモ石油<5007>、メタノール利用は日本エア・リキード<4086>がそれぞれ担当する。
●トヨタは定置式発電にも参画
一方、自家発電は定置式の燃料電池で発電し、家庭やオフィスなどに供給する実験で、北海道から福岡県まで12カ所を選定した。このプロジェクトは今秋から開始、さまざまな気象条件や立地条件下での試験を行う。
この試験で、燃料電池システム製造の協力企業としてはトヨタ、三洋電機<6764>、松下電器産業<6752>、東芝<6502>(子会社の東芝インターナショナルフュエルセルズ)などが選定された。また、設備の運用を担当する企業として、東京電力<9501>、積水化学<4204>が参加する。さらに新日本石油と荏原は、システム製造の協力、設備運用の両方を担当することになった。電力、ガス、石油元売りにとって、燃料電池の普及は既存事業に大きな影響を与えるだけに、実証試験へも必死で食い込んでいる。
(沖野 宗一)
・トヨタとほぼ同時期に〜ホンダ、燃料電池車投入で対抗
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/10/20020710160513_11.shtml
・「市場より3歩先へ」〜相場調整期で燃料電池車関連に再度の出番も
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200206/25/20020625093514_20.shtml