現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
2002.06.17
日本産業競争力評価の疑問
コメンテータ
特別顧問 牧野 昇
スイスのIMDが毎年発表する「世界競争力ランキング」は良く知られているが、今年の4月末に2002年版が発表された。(日経産業新聞 2002-5-2)その中から日本が最上位および最下位と評価された項目の幾つかをピックアップしてみる。今回、日本は主要49カ国・地域中で過去最低の30位にまで落ち込んでいる。
日本が強い項目 1〜3位に入っているのは「金準備を含む公的準備」、「特許権の付与数」、「一人当たりの民間R&D支出額」、「国際収支額」、「物品輸出の額」、「海外での特許権の防護」、「高等教育の普及度」、「稼動中のコンピュータ世界シェア」、「一人当たりの総R&D支出額」などである。研究開発や特許など知的ファンダメンタルが優位をたもっている。やや意外と感じるかもしれない。
日本が弱い項目 47〜49位に位置しているのは、「外国人移民法制」、「公共事業契約の開放度」、「起業家精神の不足」、「経済ニーズに合う大学教育」、「企業の創業」、「株主の権利と責任」、「文化の対外閉鎖性」などが最下位と評価されている。この他に「経営陣の国際経験の無さ」、「外部から人材を招く競争の無さ」なども指摘されている。グローバル化の欠如である。
IMDの調査についてハテナと感じる方も多いだろう。評価の基準がアングロサクソン型スタンダードに基づいていて、日本型社会の特質を一顧だにしない不満は残る。
http://www.mri.co.jp/TODAY/MAKINO/2002/0617MN.html