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【ワシントン19日=館林牧子】米ボストン連邦地検は19日、米連邦捜査局(FBI)が、米ハーバード大医学部から新薬開発にかかわる物質を盗んだとして、同大元研究員の金原加代子容疑者(32)と中国人のチュー・チアンユー容疑者(30)の2人を産業スパイなどの疑いで逮捕したと発表した。
2人は日本の企業と共同で臓器移植で使う免疫抑制剤の研究をしており、サンプルの一部を日本に送っていた。当局によると、この企業は捜査に協力しており、名前は明かせないとしている。
調べによると、金原容疑者は1998年10月から、ジュー容疑者は97年2月からそれぞれ、ハーバード大医学部の細胞生物学教室に在籍。上司に十分な相談をせず、同大の研究手法を使って免疫抑制にかかわる複数の遺伝子を発見した。
2人は99年12月にテキサス大に移籍が決まったが、ハーバード大との契約で禁止されているにもかかわらず、同月末から翌年1月にかけて、20箱の遺伝子を含む物質をハーバード大の研究室から盗み出し、テキサス大に送った。
また、日本の生化学企業に電子メールで、共同で新たな抗体の商業化を持ちかけ、3種類の遺伝子をこの企業に送った疑いがもたれている。これをもとに日本の企業は抗体を開発した。
2人はテキサス大を辞職した後、サンディエゴに居住。盗まれた物質の一部はその後、ハーバード大に返還された。日本の企業はすべての研究データと関連物資を同大に返還したという。有罪が確定した場合、2人は最大で罰金75万ドル以下、禁固25年以下の刑に処せられる。
東京大分子細胞生物学研究所で大学院時代に同じ研究室だった笹川昇・東大助手の話「大学院時代には、筋肉内の酵素の研究などをしていた。分生研からハーバード大に留学し、その後の研究については詳しく知らない。私の知る限りでは、スパイ容疑をかけられるようなことをする人ではなく、ニュースを聞いて驚いている」
(6月20日12:10)