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19日の東京株式市場は全面安となり、日経平均は363円安、2月26日以来の1万500円割れとなった。株安の第一の要因は米国企業収益・株価動向への懸念が再び高まったことだ。18日のニューヨークダウは18ドル高で引けたものの、取引終了後にパソコン大手のアップル、半導体大手のアドバンストマイクロデバイスなどが4−6月期の売上高見通しを相次いで下方修正した。ハイテク企業の下方修正を受けて今晩の米国株式市場下落の可能性が高まったことから、19日の東京市場はそれを先取る形で下落した。
東京市場寄り付き前に5月の米国半導体BBレシオ(受注を出荷で割った数字)が1.26倍(4月1.22倍)と6ヶ月連続で改善したことが発表されたものの、前向きな評価にはつながらず、米国企業収益動向を不安視する動きとなった。
米国企業収益への不安に加え、最近の株式市場の下落については「株安が株安を呼ぶ」との指摘も多くなっている。19日の東京市場では日経平均こそ大引けでは先物が現物を上回る”順サヤ”の状態となったものの、TOPIXは引き続き先物が現物を下回る”逆サヤ”で引け、取引期間中は恒常的に逆サヤの状況となった。「上場株式を豊富に保有している銀行・保険会社などの金融機関が持ち株の損失拡大をヘッジする観点から先物活発にを売り建てている。相場観とは関係なく、金融機関の”経営判断”による機械的な売りが継続的に出ている」(中堅証券情報担当者)ため、先物が現物を下回る状態が続いている。先物がなかなか下げ止まらないため、裁定解消売り、あるいは逆裁定の売りが現物株に出て日経平均がさらに下げると言う悪循環につながっている。
もちろん、先物を売り建てる投資家が増えると言うことは、将来的に相場が上向きになればヘッジ売りの買い戻しが入り、今度は逆に先物主導で全体相場が上げる展開も予想されてくるのだが、現段階では、まさに先物主導の下落相場となっている。
なかなか下げ止まらない背景要因の1つとして、カラ売り・信用売り規制の弊害を挙げる向きもある。18日に発表された先週末14日申し込み現在の三市場信用残は、買いが602億円増加して1兆5270億円となる一方、売りは683億円減少して9611億円となった。買い残が増加して売り残が減少する展開が続いている。「本来ならカラ売りがたまった銘柄はところどころで買い戻されて上昇する場面があり、買い方もそのあたりの信用需給を見ながら仕掛けるケースもあるのだが、今回の下落過程では先の規制の影響からカラ売りがあまり入らず、起伏に乏しい」(中堅証券個人営業担当者)との見方も出ていた。カラ売り規制の影響から相場全体のうなりが乏しくなり、それが個人投資家の”参戦意欲”を遠ざけているとすれば、規制の弊害と言う恐れていた事態がいよいよ現実化しつつあるとも考えられる。
「上値が1万1000円となる形となってしまった」と中堅証券の情報担当者は嘆く。日経平均が1万1000円を割ったのは先週末6月14日。4月12日以来の1万1000円割れで、その4月12日の際は1日で1万1000円台を回復した。今回も1日だけで1万1000円台を回復すれば”1万1000円割れは短期間にとどまる”との認識が市場に広がったのだろうが、逆にずるずると下げ、19日は1万500円を割ってしまった。同氏によると。日経平均が1万1000円台を回復した3月4日から今回の1万1000円割れ直前の6月13日までの期間の立会日数は70日。この間、1万1000円を割ったのは4月12日の1日だけなので、ほぼ立会70日間ずっと1万1000円台を維持していたことになる。長期間維持していたラインを一気に割り込むと、そのラインが今度は上値になる傾向が強いため、冒頭の認識につながっている。ちなみに70日間の累計出来高は580億株、1日当たり約8億3000万株になると言う。同氏は「1万1000円台でこなした売買エネルギーを考慮すると、ここに近付けば押し戻される展開がしばらく続くかも知れない」と話していた。