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<東京三菱証券・チーフ債券ストラテジスト 石井純氏>
欧米経済に対する先行き不透明感の強まりを背景に、日本の株価が大きく下落している。株式市場は、今年度の企業収益のV字型回復を織り込んできたが、これが縮まる懸念が出てきており、その分の調整は不可避だろう。
また、需給的には、これまで外国人が6月決算に向けて、アンダーウエートにしていた分を取り戻すために日本株を買っていたが、日経平均株価で1万2000円が重く、リクイデーションに動いている感がある。このように、グローバルなファンダメンタルズ、需給ともに、日本の株式市場の情勢は厳しくなっている。
こうした株式市場の動向を受けた債券市場については、もともと国内景気を悲観的に見ており、それを織り込んで高値圏にあったため、株安を受けても債券買いという動きにはなりづらい。むしろ、金融機関のリスク許容度の問題が気になり始めており、実際に、きょうの市場では、そうした動きを先取りするような債券売りも見られているようだ。日銀の時間軸長期化、金余りで、基本的に買い姿勢に変化はないと思うが、債券の主要な買い手であった大手行が、株安を受けてどのように動いてくるかが注目される。