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(回答先: IMF調査団と協議開始 経済危機のアルゼンチン 共同 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 6 月 14 日 18:41:22)
IMFが調査団であって支援のための協議を行うのではないというのは、ワシントン・コンセンサスの上では“打つ手”がないのだから当然だろう。
IMFは、10数年前、ハイパーインフレで行き詰まったアルゼンチンに固定相場制(平価切り上げ)・緊縮財政・規制緩和・高金利などの政策を強制してなんとか体裁をつくった。しかし、IMF処方の政策も一時的な効果しかなく、失業率は増加し、経常収支も改善せず、国際金融資本にドルの持ち逃げまでされて破綻してしまった。
アルゼンチンは、ロシアのように恵まれた鉱物資源があるわけでも核兵器を保有しているわけでもない。また、韓国や東南アジアのように、IMFの政策が導入されていない状況でもない。(韓国などのように手に入れたいめぼしい資産が残っているわけではない)
IMFとしては、アルゼンチンを放置するか、返済されるあてがないまま一時しのぎの資金を投入するかしか選択肢がないのである。(国際金融資本が損失を被ったままであれば、援助資金を投入することになっただろうが)
たとえ、IMFが緊急融資をしたとしても、危機を引き起こしたIMFの政策が続けば再び同じ危機を招くことがわかっているから、冷静な経済主体であれば、少々の高金利でもアルゼンチン国債に投資するという愚かな選択はしない。
アルゼンチンは現在もその状況にあるが、ハイパーインフレを容認したまま緊急融資を行えば、IMFの権威はなくなってしまう。ましてや、それで何とかアルゼンチンがしのぐことがあれば、これまでのIMFの政策が誤りということになりIMFの立場がなくなってしまう。
IMFは、アルゼンチン問題で身動きできないし、動きたくもないというのが真意である。
IMFがアルゼンチンを救済したいのであれば、米国政権やEUをくどき、アルゼンチンの平価切り下げとアルゼンチンからの農産物輸入拡大を認めさせるしかない。(他に外貨を安定的に稼ぐ手段はないのだから)
それができなければ、アルゼンチンは、対外債務を全面的に切り捨て、慎ましやかな農業国家として国民が寄り添って生きていくしかないだろう。