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1月に引き続き、今年2度目のインテル・ショックの影響で米株式市場は大幅に下落。この状況は一体いつまで続くのか?底打ちするのはいつ?
■ インテル・ショック!!
今年2度目のインテル・ショックです。6月6日(木)の取引終了後、インテルは4-6月期の売上見通しを、4月の64-70億ドルから62-65億ドルへと下方修正しました。これにより粗利率の予想も53%から49%へと引き下げられ株価は1日で18.5%下落しました。同社によればとくに欧州へのMPUの出荷がとくに悪いということです。
米国株式市場全体もこのショックがきっかけで大きく売られました。6月7日(金)のダウ平均は9,589ドルと昨年11月初旬の水準まで下落しました。ナスダック指数も1,530台です。これはテロ後の高値からそれぞれ10%、26%安い水準で、テロ後の安値から16%、8%高となります。ナスダック指数はテロ後の安値水準までもう一歩というところまで下落してきているのです。
インテル・ショックは今年の1月15日にもおきています。この時は2002年の設備投資計画を市場予想よりもかなり弱気に置いたことが嫌気され、ダウ平均が9771、ナスダック指数が1,930まで下落しました。現在はその時点よりもさらに弱気な見通しに基づく株価となっているということです。
■ どこまでが「業績」「景気」?どこまでが「会計不信」「中東」?
しかし、インテルの株価自体が下落するのは納得できますが、市場全体がここまで売り込まれてしまうのを見ると、現在の株式市場の調整が「業績」や「景気」だけで起きているとは考えられません。「企業会計不信」や「テロ」、「中東情勢」など様々な要因が絡み合い、それぞれを増幅させながら相場を押し下げているような気がします。
市場全体のリスク・プレミアムという点では、金価格が6月4日(火)につけた329ドルから10日(月)には320ドルまで下げているのを見ると、落ち着きが出始めているという印象を受けます。ドル・円相場も日本当局の度重なる介入の効果もあって(総額で1兆円程度といわれています)124円台で落ち着いています。とくに対ユーロでは円が下落し始めており、ここ2週間で114円台から117円台まで円安ユーロ高が進んでいます。
債券相場にも徐々に資金が入るようになっています。3月末には一時5.4%に達した米10年国債利回も6月に入って5%ちょうど近辺での動きになっています。一時期見られた「金融資産は株も債券もすべてリスクが高いので金に逃避する」、「ドルは危険なのでファンダメンタルズが良くない円にまで逃避する」といった過剰なリスク忌避はなくなってきたように思えます。
この様な状況の中、株式市場だけが下落を続けています。
■ もしも足許の下げが「業績不安」に基づくもののみであったら?
市場全体の過剰なリスク忌避ムードが解消されつつある中、仮に「業績不安」のみが理由で株式市場がこれだけ下落しているのであれば、筆者はもう買っても良いのだと思います。ナスダック・バブルがはじけて2年3ヶ月ほど経過しますが、これは日本のバブルが89年末にはじけてから最初の大底をつけた期間と一致します。つまり、日柄的にはナスダック指数がいつ底打ちしてもおかしくないということです。また、水準的にもTOPIXがこの間約6割下げたのに対して、ナスダック指数はすでにそれ以上に下げておりますので、もう十分です。
景気は確実に循環しており、現在の景気回復局面はまだ始まってから半年程度です。いくら回復が「短命」で「山が低くなる」といっても、今すぐに終わってしまうようなことはありえません。景気と企業業績はもうしばらく回復局面が続くのです。
仮に「会計不信」「戦争」のリスクが既に市場に織り込まれているのであれば、現在の水準は買いだと思います。不信な企業は絶対に避けたいところですが、どこに潜んでいるかまったくわかりません。分散には十分に気をつけたいところです。
提供:株式会社FP総研