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大手銀行の健全性を示す自己資本比率はやっぱり底上げだった。民主党が、公的資金や税効果会計による底上げ分を除いた「正味自己資本比率」を試算したところ、大手銀6グループの平均でわずか1.09%しかないことがわかった。各グループとも公表している自己資本比率は国際基準の8%をクリアしているが、試算結果は、大手銀の財務基盤の脆弱(ぜいじやく)さを改めて浮き彫りにした格好だ。
試算対象は平成14年3月期で、公的資金を受けていない三菱東京フィナンシャルグループを除く6グループ。最も高い住友信託銀行で6.27%、みずほホールディングスが1.85%、三井住友銀行が1.65%、UFJホールディングスが0.52%。大和銀ホールディングスと三井トラストホールディングスはマイナスで、正味自己資本比率では“債務超過状態”となった。
銀行の自己資本比率は資本金や剰余金、準備金、株式の含み益などで構成されているが、大手銀には2回に渡り計約10兆円の公的資金が資本として注入されている。
また、税効果会計によって、将来予定されている税金の払い戻し分を「繰延税金資産」として自己資本に繰り入れることが認められている。
銀行は不良債権の処理で貸し倒れ引当金を積んでいるが、この段階では引当額を課税対象所得から控除することはできず、税金を支払っている。その後、引当金を取り崩し償却すると、その分は課税所得から控除できる損失として認められ、その分、税金が戻ってくるという仕組みだ。
大手銀では決算のたびに巨額の不良債権処理を行っており、「不良債権処理で体力が弱体化しているにもかかわらず、税効果で自己資本が増えるという矛盾した状態になっている」(アナリスト)。公的資金も返済が義務付けられており性格は借金と同じ。「正味自己資本比率」の方が、銀行の経営実態に近いと指摘されている。