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ムーディーズ・インベスターズ・サービスは10日、これまでは邦銀格付けを日本国債の格付けに常に連動するとみていたが、今後はそうした見方を必ずしもとらないと発表した。これにより銀行の格付けが日本国債の格付けを上回る可能性が出てきた。
今回、銀行格付けの方針を変更した理由について、ムーディーズは「日本の金融システムの安定が政府にとっての最重要課題であることには変わりがなく、政府は全ての資源を活用して銀行システムを支える」としている。そのため、日本国債と日本の銀行の格付けが「必ずしも自動的に連動する必要はない」との見解を示した。
ムーディーズが日本国債の格下げに踏み切ったのは日本の財政が先進国でも最低のレベルになるなど極度に悪化しているためだ。しかし、金融システムの安定性確保は財政がさらに悪化しても、政府が最優先で取り組まなければならない課題であるとして、自動的に連動させる必要はないとの考えに変わったものとみられる。
ムーディーズはさらに「日本国債の格付け自体は政府が金融機関を支援する能力や、その意向を完全な形で表しているものではない」としたうえで、今後は、邦銀格付けについて、営業基盤、財務基盤、金融システムでの重要性や破綻処理の枠組みなど、様々な要因を考慮に入れて個別に評価する方針としている。
ムーディーズは5月31日に日本国債の格付けを、それまでよりも2段階引き下げ「A2」にしたばかり。これを受け、銀行格付けも連動して引き下げられるのでは、との見方が強く、柳沢伯夫金融相ら金融当局者が懸念を表明していた。
財務省はムーディーズの国債格付け引き下げについて「根拠が明確でない」と反発。塩川正十郎財務相も、10日昼の政府与党連絡会議で、ムーディーズに対して、3回目の説明を求めており、説明があり次第、きちっと対応したい、と述べた。