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【ワシントン竹川正記】
米エネルギー大手、エンロン以降続発する会計操作などの「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」と、市場アナリストの投資評価という公正な市場の2大条件への不信が、米国株式市場を揺さぶっている。ダウ工業株30種平均株価は1週間で336ドルも下がる深刻な事態になっている。
「景気回復を示す経済統計が出ても、市場が反応しない」。5月の景況指数が製造業、非製造業とも改善し、失業率も低下したにも関わらず、下落する株価をみて、日系証券ディーラーは7日、こう嘆いた。
ダイナジーなど電力各社の売上高水増しと電力価格の操作疑惑の拡大、大手複合企業、タイコ・インターナショナル会長兼CEO(最高経営責任者)への絵画購入を巡る脱税捜査、エネルギー大手エルパソの会計担当幹部の自殺……。“日替わりメニュー”で発覚する不祥事に、投資家は買い材料のはずの統計の好転にも「不感症になっている」(米証券)のだ。
市場アナリストの不正な投資評価も暗い影を落としている。個人向けネット株アナリストらが、企業の資金調達を担当する収益部門の投資銀行業務の営業を支援するために顧客企業に有利な投資判断を流し、個人投資家らに損失を与えた疑惑を、ニューヨーク州当局や米証券取引委員会(SEC)が大手証券を対象に一斉調査中だ。
「コーポレート・ガバナンスの先進国を誇っていた米市場での不祥事の多発」(金融当局筋)だけに、投資家の信認回復には時間を要しそうだ。