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和製ウオール街立地は「夢」だったのか〜マンション林立の兜町[PAXNet] 2002/06/07 15:41:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 07 日 16:16:30:

株式相場に浮き沈みはつきものである。暴騰と暴落は紙一重であり、バブルのあとには必ず不況のトガメが出る。だから証券マンの遺伝子には、少々の変化には浮かれも動じもせず、転んでもただでは起きない「したたかさと割り切りの速さ」が刷り込まれている。しかし・・・そんな証券マンも、さすがに今回ばかりはお手上げ状態なのだ。バブル崩壊以来の長期証券不況や証券各社の前期決算が軒並み赤字転落となったことではない。あろうことか、兜町の足元でワンルーム・マンションが3棟も建設されているのである。兜町の地盤沈下どころか“沈没”を物語るシンボル以外の何物でもないのである。マーケットは現在、日経平均株価1万2000円を前に強弱観が入り交じっている。そのなかで、多くの証券マンが本心から強気になれないのは、案外、毎日朝な夕なに目にしているの立ち上がっていくマンションが暗いカゲを落としているためなのかもしれない―。

●何と東証と道路1本隔てた目の前に

兜町で建設中のマンションは現在3棟。1棟目は、4月10日に竣工し、販売されており、場所は東京証券取引所と道路1本隔てた目の前、旧山吉証券跡地である。2棟目は、昭和通りから1本兜町寄りに入った道路沿いに立地し、14階建ての躯(く)体工事がほぼ完成している。そして3棟目は、証券不祥事で破綻した旧丸荘証券の跡地に隣接の賃貸オフィスビルと同時に建設されており、造成工事から基礎工事にかかったところだ。
都心部でマンションの建設工事を目にするのは、いまや珍しい風景ではない。不況や大企業のリストラでマンションの建設適地が大量に放出されて地価が下がり、そこに高齢者の都心回帰が重なり、ブーム状態の様相さえ見せ始めているからだ。現に株式市場でもブームをハヤしてマンション株が人気化し、大幅高した経緯がある。
しかし相場テーマと足元にブームが波及してきたこととは、話はまったく別である。兜町は、地下鉄の日比谷線と東西線が乗り入れている茅場町駅から徒歩数分、JR東京駅からタクシーでワンメーターの至便地などと安閑としている心境にはなれないのがホンネだ。

●世界第2位の証券市場〜かつては和製ウオール街構想もあった

兜町は、いやしくも世界第2位の証券市場の中心地である。そのメッカにワンルーム・マンションはいかにもそぐわない。兜町の将来に見切りをつける「死亡宣告」を受けたに等しいといっても過言ではない。なかでもショックなのは旧丸荘証券跡地に建設されるマンション。というのもこの一帯はバブル華やかし頃、某大手不動産会社が和製ウオール街を目指して大規模再開発を計画した場所だ。自主廃業した旧山一証券本社跡も含め地上げが騒がれた地域で、買い値は坪500万円以上にハネ上がったとも憶測されたからだ。バブル崩壊とともに再開発計画は頓挫し、つれて一帯の土地所有者も次々に変わり、コイン駐車場で一息をついたり、ワンルーム・マンションが建設されているのである。

●お寒い光景はこればかりではない

極言すれば、全容を現しつつある3棟のマンションは、兜町の墓石とも映る。しかし周囲を見回せばもっとお寒い光景も目につく。「勝ち組」と「負け組」どころか勝者なき手数料値下げ競争の消耗戦、ただ一つ高額手数料を稼いでいた投信の乗り換え禁止規制、相次ぐ証券会社の経営不安説、ボーナス減額に続いていよいよ始まった本給のカットなど兜町に吹く逆風は悪化の一途なのである。このためピーク時から半減した証券人口は、さらなるリストラは必至であり、証券マンは肩叩きに怯えることになる。兜町がハラの底から強気になるには、次々と崩れ続けている足元に歯止めがかかることが先決となることだけは確かである。
(相馬 太郎)

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