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一部株式市場関係者の間で、にわかに相場下落に対する警戒感が高まってきた。発端はある“怪文書”。この手の類の文書には慣れっこになっている株式市場だが、今回は事情が違う。怪文書で指弾されているのがある経済関係閣僚で、これが各種メディアに取り上げられる気配が濃厚になっているためだ。スキャンダルが拡大すれば、内閣支持率の低下に苦しむ小泉純一郎首相の政権運営に決定的なダメージを与え、ひいては海外機関投資家の失望売りにつながる、との懸念も生じている。
●“裏献金”巡る怪文書
話題を集めている怪文書の中身は、大手流通企業からある経済閣僚に数億円の「裏献金」が回っていたというもの。この閣僚はクリーンとのイメージが定着していたが、ここ数カ月は複数の週刊誌でスキャンダルめいた話が掲載され、「政治とカネの問題が俎上に上っている最中、“おまえもか”ととらえる向きが急増していた」(準大手証券)。
怪文書は、個別企業や政治家に関する告発文書を掲載することで知られるあるサイトに5月末の日付で掲載され、「eメールを通じて相当数の市場関係者間で回し読みされている」(米系証券)。またこの文書を巡っては「複数の大手週刊誌が水面下で猛烈な取材合戦を繰り広げている」(大手銀企画担当者)といい、怪文書の中身が本物かどうかは別として、「報道されれば某閣僚への信認が大きく揺らぐ事態になる可能性が大」(同)という。
●海外勢も重大関心
この文書に関しては海外勢の関心も高い。表向きは「循環的な景気回復に着目しており、支持率低下で誰も期待していない政治分野では、スキャンダルが出ても反応は少ない」(欧州系運用会社)との声も聞かれるが、「米国経済という最大の外部要因に不透明感が強まる中で、政権運営に直結しかねないスキャンダルが出れば調整の幅が大きくなるのは必至」(別の欧州系運用会社)というのが本音だ。
今年5月以降、米国景気の急回復期待の後退とともに海外機関投資家の多くが日本株への投資比率を引き上げたばかり。「小泉首相以外にリーダーがいない中、政局が混乱する気配が高まれば日本株への投資比率をまた元の状態に戻さざるを得ない」(米系運用会社)。鈴木宗男衆院議員、田中真紀子前外相など、政治と金を巡る醜聞は多数流れたが、今回は現職経済閣僚が絡んだもの。怪文書が「表」に出た場合、「インパクトは小さくない」(別の大手銀筋)。
怪文書の真偽とは別に、来週以降この話題がどうメディアに扱われるか。市場関係者は固唾を呑んで見守っている。
(相場 英雄)
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http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200206/05/20020605115008_01.shtml