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システム障害で世間を大混乱させたみずほフィナンシャルグループで、金融庁の立ち入り検査が5日までに終了した。金融庁は中旬にも行政処分として業務改善命令を出す予定だが、引責辞任必至とみられていた前田晃伸みずほホールディングス社長がここにきて留任するとの見通しが急浮上している。「人の噂(うわさ)も七十五日」というわけではないだろうが、居座りを決め込む厚顔無恥ぶりには恐れ入るばかりだ。
先月8日から続いていた特別検査では、システム障害の発生原因に加え、被害が拡大した原因や統合前の準備態勢、経営判断などを調べ、業務改善命令では再発防止や管理態勢の強化などが指摘されるとみられる。
注目の経営責任については、西村正雄・旧日本興業銀行頭取、山本恵朗・旧富士銀行頭取、杉田力之・旧富士銀行頭取の3人が、みずほグループ特別顧問の座を退任するという“既定路線”で幕引きとなる。
焦点の前田社長については、役員報酬カット程度にとどまるとの見方が強まっているのだ。
4月に経営トップに就任したばかりの前田社長に「責任を問うのは酷」というのが表向きの理由とみられる。
だが、各金融機関でシステム障害が相次ぐなか、みずほだけが強い批判を浴びている要因は、情報公開が後手に回り、システム復旧が遅れ、あげくに前田社長の「実害はなかった」との国会発言に象徴される無責任体質と、むしろ障害発生後の対応のまずさにある。
システムに問題があることを知りながら、開業にゴーサインを出したのも前田社長であり、責任は極めて大きい。
留任論は、「前田社長が辞めると、旧3行間の後任争いに歯止めがかからなくなるため」(金融担当アナリスト)との指摘の方がうなずける。
特別顧問3人についても、数億円とみられる退職慰労金を全額返上するとみられていたが、これも「過去の功績を無視できない」という不思議な理由で、宙に浮いた形となっている。
25日の株主総会での株主の批判集中を逃れるためとされるが、まったく理屈というのはどこにでもつくものだ。
その3人の“功績”であるはずのみずほ統合の成果が、旧行意識とたすきがけ人事による極めていびつな組織だ。
役員数は111人にものぼり、ポストは旧3行に割り振られている。「不要論」も出る大企業向けのみずほコーポレート銀行では、部の数が、行員数で4倍のみずほ銀行よりも大きいという。
三菱証券に投資銀行業務を一本化する方針の三菱東京フィナンシャルグループと比較すると、分かりやすさは歴然だ。
みずほは業務改善命令を受け、旧3行にとらわれない人事や組織のスリム化など経営改善策を打ち出すとみられるが、こんな組織を作った旧経営トップの責任も重い。
システム障害で信頼を失い、貸出金利の引き上げも困難で、来年4月に予定されていた本格システム統合も遅れて、新たな金融サービスも利用者に提供できない。
コーポレート銀は旧興銀のシステムを使い続けており、いつ重大トラブルが発生するか分からない。顧客に対し、誰もきちんと責任を取らないまま、みずほは再スタートを切ろうとしている。