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一向に進まない不良債権処理に業を煮やした柳沢伯夫金融担当相が、ついに“強権発動”に踏み切る考えをブチあげた。なんと、処理目標を達成できない銀行に対し、原因究明や処理促進を求める業務改善命令を出すというのだ。政府の「底入れ宣言」にもかかわらず、景気が上向く実感はないが、これで景気回復のカギを握る不良債権問題の「呪縛」から逃れられるのか。
これまで不良債権について、「破綻懸念先」以下のものは、1年で5割、2年で8割を処理するよう柳沢金融相が大手行に要請している。柳沢金融相は昨年8月、経済財政諮問会議に対して平成16年度には不良債権問題にケリをつけるという計画を提出しているが、実現を疑問視する声が多い。
そのため、5日の衆院決算行政監視委員会で、「達成できない理由が銀行の姿勢によるものなら報告を求めた上で改善措置の発動もありえる」と発言、さらに処理の途中経過の報告も求める考えも明らかにしたのだ。
ところが、大手行の今年3月末の不良債権残高は、1年前に比べ4割も増え、実に27兆円にものぼっているのが実態だ。
昨年度1年間で大手行は、7兆7000億円も不良債権処理を行い、各行トップも「峠越え」を宣言している。にもかかわらず額が増えているのは、金融庁の特別検査で各行が貸出先の評価を厳しくしたことと、処理方法に問題があったからだ。
これまで、不良債権処理の多くは、貸し倒れ引当金を積むという「間接処理」で行われてきた。この方法だと将来の損失は回避できるが、不良債権残高そのものは減らない。債権売却などの「最終処理」をしない限り、貸出先の業績が悪化すればさらに引当金を増し積みしなければならないという悪循環に陥るのだ。
日本国債格付け引き下げの一因でもある巨額不良債権。その処理は小泉・ブッシュ会談などでも話し合われた国際公約でもあるだけに、柳沢金融相の強権発動発言は、政府もさすがに尻に火がついたというところか。