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(回答先: 「国債っていいかも!」藤原紀香さん起用し個人向けPR−財務省(東京 6月5日ブルームバーグ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 6 月 05 日 18:33:11)
【国債問題への定量的アプローチ】という連載を続け、個人向け国債の発行について触れているので一言...
端的に言えば、個人が買おうが、銀行や資金運用部が買おうが、資金の出所は基本的に同じである。銀行や郵便局に預けてそれが“勝手に”国債購入に向けられるか、銀行や郵便局に預けないで自分の意志で国債を買うかの違いだけである。
大きな違いは、国債購入者が分散化することで「国債サイクル」が不安定化するということである。
(「ペイオフ」なぞデフレ不況が収まるまで延期し、金融機関に預けてもらうようにするほうが賢明な政策である)
こんなこともわからずに、3億5千5百万円もの国費(700兆円もの借金をしている彼らははした金だと思っているのだろうが)を使って、より危険な道に進もうとしている財務省官僚とその政治的代弁者である与党は、端的に言えば、“国賊”である。
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『【国債問題への定量的アプローチ】その3:非金融経済主体の国債保有増加がもたらす「国債サイクル」の歪み』( http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/573.html )より抜粋
「政府・与党は、国債発行高の増大対策として、少額券面の国債発行など個人向けの販売を拡大しようと計画している。
さらに、国債を相続税の非課税資産としてまで国債を個人向けに拡販しようとも考えている。
このような考えが根源的には愚かなものでしかないことは、これまでの説明でご理解いただけると思う。
● 実質的な国債引き受けの拡大にはつながらない
タンス預金をしている経済主体が国債を購入するのなら、それなりの意味があるが、預貯金を降ろして国債を購入しても、不安定要因を増大させるだけで実質的な国債引き受けの増大にならない。
預貯金者本人は国債を買うつもりはなくても、銀行や資金運用部が既に代わりに買っているからである。
国債を買うために銀行や郵便局から預金引き出しが行われれば、金融システムのみならず「国債サイクル」にも深刻なダメージを与える。
(預貯金の払い戻しに応じるために、国債を売却せざるを得ない状況に金融経済主体を追い詰めることにもなりかねないからである)
● 相続税の国債非課税は税収を減少させる
国債の償還は、究極的には税収で行うしかない。
タンス預金を除けば、個人が直接購入しようが、金融経済主体が間接的に購入しようが、国債の引き受け状況は変わらないのだから、国債を相続税の非課税資産とすれば、国債償還の原資でもある税収をわざわざ減少させるだけである。
(資産家優遇策と割り切っているのなら救いはあるが、真顔で国債対策と考えているのなら、そのような政治家や官僚は即刻辞職すべきである)
● 「国債サイクル」を狂わせる
不特定多数がより多く国債を保有するようになれば、60年償還という「国債サイクル」を狂わせる可能性が高くなる。
“統制”の効かない経済主体は、状況の変化で国債を現金化する動きに出る。
日銀に売るわけにはいかないので市中で売ることになる。償還期限が来ても、借換債で満足するとは限らない。
相続した人も、国債利息に期待するよりも、現金に換えて消費したいと考えたり、より有利なものに乗り換えたいと考えることは特異なことではない。
現在、「大蔵省→銀行・資金運用部・生保」という関係性のなかで築かれてきた「国債サイクル」の安定性が弱体化する方向にあると言える。」
さらに、財務省官僚の政策立案に関する犯罪的無能性については、『【国債問題への定量的アプローチ】その5:「構造改革」的税制変更は税収増大をもたらすか?』( http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/584.html )より抜粋
「「デフレ不況」色が色濃くなった98年に実施された税制変更は、先ほど説明した因果関係があたかも働いたかのような結果を示している。(消費税以外にも社会保険料の引き上げがあり、それらを少しは打ち消すための“特別減税”が実施された)
消費税率を引き上げたにも関わらず、税収の絶対額と税収のGDP比がともに下がっているのである。 GDPも、実質でマイナス1.1%、名目でマイナス1.2%を記録している。
そして、98年以降、本格的な「デフレ不況」が続いている。
97年に財政再建・税収増大という名目で「消費税率引き上げ」や「社会保険料引き上げ」を決定した政治家(橋本政権及び賛成した国会議員)は責任をとらねばならないし、そのような政策を立案した大蔵省の官僚も職を辞すべき“失政”である。
(痛みを与えたことではなく、掲げた目的を実現できなかったどころか、逆に、目的に反する結果をもたらしたからである)
そのような非難に対して、「景気の循環的な変動のせいだ」とか「予測できないことだ」といった類の言い訳をするのであれば、日本は救いが期待できない国家だとあきらめるしかない。
98年は、94年以降とほぼ変わらない経済条件にあったと考えていいだろう。
循環的な面で言えば、97年の金融危機である意味の灰汁抜きがなされた後である。
89年の消費税導入で「バブル崩壊」を引き起こし、98年の消費税引き上げで「デフレスパイラル」に引き込んだとも言えるのである。(「バブル崩壊」は遠からず起きるものではあったが...)
歴史的な反省もきちんと行わずに、再び、「低中所得者増税」や「消費税引き上げ」を志向している政府は、“自国破壊者”であり、その結果として、国債問題=ハイパーインフレの現出も避けることができないだろう。」
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※ 連載中の国債問題関連書き込み
『【国債問題への定量的アプローチ】その1:国債発行高と国債償還の推移』
http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/552.html
『【国債問題への定量的アプローチ】その2:デフレ下とインフレ下での国債負担の差異』
http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/563.html
『【国債問題への定量的アプローチ】その3:非金融経済主体の国債保有増加がもたらす「国債サイクル」の歪み』
http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/573.html
『【国債問題への定量的アプローチ】その4:「国債原資」である預貯金・保険料の残高見通し』
http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/594.html
『【国債問題への定量的アプローチ】その5:「構造改革」的税制変更は税収増大をもたらすか?』
http://www.asyura.com/2002/hasan10/msg/584.html