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(回答先: 地方税収5年連続不足・昨年度 〔日本経済新聞〕 投稿者 PBS 日時 2002 年 6 月 02 日 10:53:50)
住民に密着した地方自治体と言えば、市区町村があげられる。この行政主体には、たいていの場合、外郭団体というのが存在する。土地開発公社、観光振興財団、社会福祉協議会、シルバー人材センターなどである。これらの外郭団体は公益法人であるから、第一義的に、利潤を追求することの為に存在していない。まあ、民間企業では効率と利益を優先しなければ、会社が倒産してしまうから、極端な話、消費者が望んでいるものであっても、企業にとって利益が出なければ、商品開発もしないし、サービスを提供しない。その点を補完するために、公益法人は存在すると思う。それはそれでよいのだが、金銭感覚が市場原理とはかけ離れている。
PBS様が投稿しているように、地方の財政は苦しい。これからも苦しくなるだろう。市区町村の大きな財源といえば、個人・法人住民税及び固定資産税である。固定資産税の収入はそんなに減ることはないだろうが、住民税の収入はこれから増えることはないんじゃないかな? というのも、企業のリストラで収入が減っている人が多いし、最悪、月収0円という人もいる(失業者等)。そのような人からは所得税を課税できない。課税できたとしても額は少ない。したがって住民税も課税されないもしくは少なくなると言うことになるからだ。
そのような状況下で外郭団体も財政的には苦しくなる。それというのも、これらの団体は補助金収入が多いからだ。とりわけ、○○市土地開発公社、××町社会福祉協議会、などという団体は○○市や××町から補助金をもらっていることを意味する。関連団体でなければ、法人の名称の中に、「○○市」や「××町」という文言は入れないからだ。さらに従業員の中には○○市の職員や××町の職員が、上記団体に派遣されている。いわば、外郭団体は、カネもヒトも当該行政に依存していることになる。その当該行政の財政が苦しいということはすなわち、外郭団体の財政も苦しくなるということになる。まあ「親亀こければ小亀もこける」という状態だ。
ここで、これらを解決しようと思案されているのが、市町村の合併問題だ。合併することで財政基盤を強化し、人員を減らすことで、経費(とりわけ人件費)を節約できると考えられているからだ。国(総務省)も都道府県も合併を奨励している。ここで問題になるのが、自治体同士が本当に対等な立場で合併できるかと言うことだ。例えば、政令指定都市と人口10万人程度の市が合併するときに、対等合併になるのか? 火葬場・清掃工場・し尿処理場はどこを使うのか。いわゆる迷惑施設といわれているものは、力的に強い自治体の区域に設置するのか? いや、人口10万人の市の郊外に設置するんじゃないの〜。普通に考えれば。ということで合併前の自治体同士の力関係がものを言うことになる。このような状況下では、弱い自治体の外郭団体の従業員は冷や飯を食わされることになることが、容易に推測できる。
最後に、ちょっと本題から脱線。これからの時代、安定しているから公務員になろうなどと考えないことだ。公務員はがっちり給料もらえるからいいね、と思うかも知れないが、地方税収は5年連続で不足している事実をよく認識する必要がある。もらえることはもらえるだろうが、減ることはあっても増えることはまずないだろう。なにせ、不足しているのだから。安定に関してもはなはだ疑問である。自治体が合併しなければよいが、これからの潮流は合併!!合併!!の大合唱である。そのときに行財政基盤の弱い自治体は、合併相手先の自治体と対等ということはないだろう(その場合、吸収合併だから)。どうしても安定を求めるならば、市区町村職員ではなく、都道府県職員及び国家公務員になるべきである(今のところ都道府県の合併は聞かない。道州制というのもあるらしいが・・・。国は合併することはないしね。でも2030年ごろには、United States of America の州のひとつになってたりして。Japan State とかなってたりして{爆涙})。とにかく安定や給料で公務員になろうと思っている人はもう一度「地方税収5年連続不足」という事実をよく認識し、考えに考え抜いてから、受験申し込みをすることを、おすすめする。