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週明け3日の東京株式市場ではJFJホールディングス <8307> を除く大手銀行株が出来高を伴って上げ幅を広げる展開となった。三井住友銀行 <8318> がこの日の東証一部全出来高の9%超となる7464万株と商いをこなして一時71円高の766円まで買われ、2営業日ぶりに年初来高値を更新したほか、三菱東京フィナンシャル・グループ <8306> や三井トラスト・ホールディングス <8309> などが新高値を付けて取引を終えた。こういった動きについて市場では「日本の景気回復を見越した外国人の買いが牽引している」(銀行系証券)との見方がもっぱら。大手銀行は日本国債を大量に保有しており、その格下げが悪材料に働くとの予測もあったが、米格付け会社・ムーディーズが先週末に国債を実際に2段階引き下げたが、市場はこれをすでに織り込んでおり、この日の債券相場が堅調に推移したことで、「これまで売り込んできた外国人投資家なども買い戻しを急がさるをえない状況になった」
一方、今週末の7日には内閣府が今年1ー3月期のGDP(国内総生産)統計を発表する。民間調査機関などの予測では年率6〜7%という高成長が事前のコンセンサスになっており、「これを先取りする動きも目立つ」(準大手証券投資情報部)。また、大手銀行株は信用取引の売り残と買い残がともに高水準に膨らんでおり、三井住友銀では直近の先月24日申込み現在の売り残2967万株に対して買い残は2607万株にとどまり、信用倍率は0.88倍。三菱東京FGは売り残14761株に対して買い残は5481株で信用倍率は0.37倍と、1倍を大きく割り込む状況となっている。このため、「最近の株価上昇に伴って売り方が損失覚悟で買い戻す動きに出ていることも需給面から株価を押し上げる要因になっている」(同)という。
もっとも、こういった動きの継続性には疑問を呈する市場関係者も少なくない。BNPパリバ証券の銀行担当アナリスト、小田切尚登氏は「先日発表された前期の大幅赤字決算によって大口有名案件の不良債権処理はかなり進み、経営内容に改善の跡は見られる。景気が循環的な回復に向かっているのもプラスで、外国人投資家もそのへんを好感して銀行株に買いを入れているのだろう」などと指摘したうえで、「ただ、不動産価格はまだ下げ止らず、倒産などの増加による中小企業の不良債権問題も改善していない。環境が上向きなのは確かだが、そのペースは非常に緩やかなものにとどまる」として、一本調子での株価反騰には懐疑的な見方を示していた。また、ある生保系運用会社の日本株運用担当者は「景気の回復傾向をよりはっきり示すような具体的指標などがもっと増えてこないと、銀行株の組み入れを増やすことは難しい」と話していた。その意味でも今週末に発表される1−3月期のGDP統計に注目する向きは多いようだ。
(H.K)(ラジオたんぱ)