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ソニーや三井住友銀行などが出資して、鳴り物入りで新規参入してきた「ネット銀行」や「コンビニ銀行」に暗雲が立ち込めている。1日までに出そろった平成14年3月期決算で、新規参入組4行すべてが最終赤字と、総崩れになってしまったのだ。銀行法では開業3年以内の黒字化が銀行免許の条件となっており、収益力アップなど生き残りをかけた激闘が今後、展開される。
“勝ち組”IT(情報技術)企業で知られるソニーだが、グループのネット専業銀行「ソニー銀行」は41億円の最終赤字となった。ソニーのブランド力を生かして、平成13年6月の開業時には「20万口座、3000億円」の預金獲得目標を掲げたが、初年度は8万7000口座、預金残高1064億円にとどまった。
預金の低迷は「外貨預金や住宅ローンなどの商品投入が遅れたこと」が響いたとされ、商品のラインアップがそろった今年度以降、ロケットダッシュを狙う。
三井住友銀行系のネット銀「ジャパンネット銀行」は、平成12年10月の開業以来初の通期決算で54億円の最終赤字となった。「3年で100万口座、1兆円」の預金獲得目標を掲げ、口座数こそ今年3月末時点で約48万口座とまずまずの数字だが、こちらも預金残高が797億円とふるわない。
伊藤忠商事グループなどが出資する「イーバンク銀行」は37億円の最終赤字。昨年7月の開業で、今夏に電子メールを使った送金サービスなどを始め、収益アップを目指すが、今期も赤字予想となっている。16年3月までに150万口座に拡大する目標だが、今年3月末時点で20万口座にとどまった。
イトーヨーカ堂グループでコンビニ銀行の「アイワイ(IY)バンク銀行」は、121億円の最終赤字となった。
新参入組はいずれも、システム整備や商品開発といった初期投資が重くのしかかっている。一方で、「ネット銀行は低金利時代でも高い金利をうたい文句に登場してきたが、実際は預かった預金の運用がうまくいかず、紙くず同然の債券に投資していたところもあった」(金融担当アナリスト)ほど。運用難の時代だけに、その前途は、なかなか厳しいものがあるようだ。