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世界的なデザイナー、森英恵さんのファッションブランドで知られる服飾大手ハナエモリ(東京都渋谷区)が30日、清算を前提に民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請し、倒産した。負債総額は101億円。長引く景気低迷で販売が落ち込み、利払いが経営を圧迫していた。既製服の商標権や営業権は3月に三井物産の子会社に譲渡しているため、ブランドは残り、営業活動も続ける。
日本の服飾界の草分けでもある森さんは、高級注文服のオートクチュールを軸にパリ、東京を拠点に営業活動してきた。関係者によると、グループの売上高はピーク時で400億円ほどあったが、個人消費の落ち込みや海外有力ブランドの日本進出のあおりを受け、ここ3年間は70億円程度に落ちていた。
負債の8割が借入金。31日に決済期限を迎える3千万円の手形の資金繰りがつかず、法的清算の道を選んだ。
三井物産はファッション部門を強化中で、昨年からハナエモリと商標権購入などについて交渉していた。商標権や営業権の売却額は数十億円とみられる。物産からの代金を債権者への支払いにあて、会社は年内にも清算される見通しだ。
同社は51年の設立。森さんは米国で成功した後、77年にパリでオートクチュール・コレクションを発表し、東洋人では初めてパリ・オートクチュール組合への加入を認められた。(20:31)