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(回答先: 急伸、約2年半ぶりの高値更新=印パの緊張激化など受け−ロンドン金【ロンドン29日時事】 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 29 日 21:30:45)
トロントからの手紙
爽やかな五月の朝、つつじの紅に黒いアゲハ蝶が舞い、濃くなった新緑から香る風。なんと素晴らしい日なのだろう…。もうMay十四日か?!??
先週はモントリオールとトロントに行って来た。春は世界の隅々まで微笑ましく楽しく訪れていた。湖に面する両都心は空と湖の青が日々青くなり、静かな平和な日々が流れた。百五十年続くというモントリオールのプライベートクラブでの美味しいフランス料理。幸せな時間を過ごしているという実感。
トロントではエリック・スプロット氏に久し振りに逢った。資金運用の世界では有名なバロンズ誌が、今年世界一の運用者としてスプロットを紹介。アメリカのウォーレン・バフェット級の、超有名人の彼との一時間は貴重だった。
彼がどうして十年連続三十%以上の運用ができたのか。今年なぜ八十%もの驚異的な運用成績を成したのか。その秘密を聞いてみた。毎日の新聞を読み、その中から日々の変化を探していく事。それに尽きるよ?!!? 一年だけ立派な成績だとまぐれだ、偶然だと言われるから、毎日が戦い?!?? 楽しみだね。
彼の言によれば、三月と四月の米国の税収は極端な不足になったと言う。表面的に景気が良くなったと言うが、税収を考えると、深刻な不景気がやがてやって来るに違いないと言う。米国株も例えばIBMを例にとれば、二十ドルが適正な価格ではないかと分析していた。つまり八十二ドルのIBMが二十ドルになると言う事は、ダウで三千ドルくらいが米国の本当の姿ではないかと言う。
ウォールストリートジャーナルやバロンズ、CNNはじめ北米のマスコミが彼の驚くべき運用リターンを賞賛している。エリック・スプロット・ファンドを日本でも近々紹介できるように、今準備中でもある。金価格は、上昇の途についたばかりで、長期的な大きなトレンドに突入したとの認識に合意した。
日本がやはりトリガーになるのでは…。タイミングはワールド・カップの後?!?? 世界から五十万人以上の人々が日本を訪れる。七月上旬までは、銀行の破綻、事業会社の大型倒産を避けるに違いないとの僕のコメントに頷きながら、日本人の金買いがいつ再び始まるだろうかと話し合った。
太陽黒点と金価格の研究家の西宮氏が教えてくれた、五月二十四日が金の大転換点という話を伝えると、ちょうどその日、ニューヨークで北米のアナリストを集めたゴールド・カンファレンスが開かれる予定と驚いていた。二日半いたトロントでは十人以上のアナリスト、金鉱山会社の会長氏等々に逢ってきた。ロンドン、トロント、バンクーバー、シドニーは異常な金鉱株バブルになっているようだ。
エリックは米国のGDPに対し、財政赤字が五%になる今年、多くの人々が米ドルの危うさに気付き、ドル売りゴールド買いが発生すると予測していた。同時に、日本における更なる金融破綻と金利ゼロの状況から、日本人が大量の金を手にする事も分析していた。
七日夜、北米ではかなり尊敬されているゴールドアナリストのジョン・イングとのディナー。実に四時間以上も様々な話題に花が咲いた。米国は全ての物を輸入している。お金、食料、燃料、車…。米国に流入するお金が止まる時が米国が終わる時と言う。彼は年末には金が四百ドル、そして五百三十ドルになる可能性が高いと分析していた。
バンクーバーにいる筈のニックが、ニューヨークにいるというので一時間のフライトでトロントまで逢いに来てくれた。ニックに言わせれば、米国の人は未だに米国資本主義を信じ、米国株が上昇する事、IT関連の安値買いをしていると言う。金がなぜ上昇するのか、金鉱株がどうして必要なのか聞く耳を持っていないと嘆いていた…。
翌日、金の需給関係を研究しているグループの人と逢う。金の生産は向こう数年減少する。生産の上昇までにかなり時間が必要との事だった。金価格が三百二十一ドルを超えれば、テクニカルには四百ドルを目指す事。また三百四十三ドルになれば、北米の大手金山会社がエンロンと同じような金のデリバティブのために倒産する可能性があると伝えると驚いていた。五日日曜日、誰かが僕にそんなエンロン級のデリバティブが金市場にある…、故にチェースとシティーに査察が入った事を教えてくれた。
八日夜、その種のニュースが世界を走った。しかし、異常に小さな扱いで、この分野に余程関心がない限り、見落とすような報道内容だったと言う。なぜそんなに早く、そんなニュースが手に入るのかと彼らは多少の尊敬を示してくれた…。
テロリズムにつくか、米国につくか、正義は我々であるとの物言いに、世界の識者達は米国とブッシュを見限っている。同じ論理を中東に用いれば、イスラエルはどうなるのか???アラブはイスラエル寄りの米国に反発し、イスラエルはますますその軍事的力を増している。
中東で再びイスラエル対アラブの戦争が起きれば、やはりイスラエルの圧勝になると言う。しかしそのためには、イスラエルの男性の半分が徴兵され、政治、経済は事実上ストップしてしまうと言う。戦争がいかに国民を疲弊させるのか。外国と戦う軍隊より、国内の国民を国家に従わせるための軍隊の存在がある事に気付く。
日本は平和ボケ。中国大使館の混乱を見ても、日本と日本人の戦争に対する非日常性を感じる。でもこれでいいような気がする。相手の言うがままに、中国の暴挙が世界に流れ、中国に対する不信は世界の国民や普通の人々のレベルにも認識された。同時に、日本という国の存在やその外交がいかに大金持ち的かも?!??
皮肉ではなくて、お金持ちだから大らかなのだ。世界で今戦争のない国と言えば、G7と数えるだけの国家。戦争が国家を壊し、国民を苦しめる姿がテレビでサッカーを見るように日々伝わる。中国がなぜあんな事を…。貧しい北朝鮮から大挙として流れ人が流れ込めば、中国が大変だから?!??
松藤民輔
(平成14年5月29日掲載)
http://www.jipangu.co.jp/index.html
http://www.jipangu.co.jp/matsufujibibliothek.htm