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日本銀行は29日、97年11月に経営破たんした山一証券に対する特別融資(日銀特融)のうち、1464億円が回収不能となる可能性が高いと発表した。特融の回収不能は、これまでに例がない。山一証券は現在も破産手続き中だが、換金できる資産がなくなったため、回収不能となる額が、ほぼ確定した。日銀は損失を、公的資金や証券業界が設立した「日本投資者保護基金」の負担で穴埋めするよう求めているが、負担をめぐる日銀、財務省、証券界間の協議は難航している。
日銀によると、山一証券向け特融の残高は、98年3月末に5050億円にのぼったが、資産売却や日銀が押さえていた担保の処分で回収を進め、2000年度末には3175億円に減少した。さらに、2001年度に1496億円の破産配当を受けたことなどから、残高は今年3月末で1494億円になった。ただ、今後、回収が見込めるのは約30億円で、日銀は残りの1464億円について、2002年3月期決算で、この全額に貸し倒れ引当金を計上した。
山一証券の破たん時、当時の三塚蔵相は「(保護基金の前身の)寄託証券補償基金の強化などを図り、適切に対処したい」との談話を発表した。その後の宮沢蔵相や、塩川財務相もこうした方針を追認する発言をしたため、日銀は政府や保護基金による損失穴埋めを求めている。ただ、保護基金の今年3月末の残高は456億円に過ぎず、「全額負担することは不可能」(証券筋)で、政府が財政による補てんに応じるかどうかが焦点となっている。
(5月29日20:39)