現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
「不良債権処理の山は越えた」−。いったい何度、この言葉を聞かされたことだろう。柳沢伯夫金融担当相は28日の記者会見で、“山越え”を宣言。24日の大手銀の決算発表でも同様の発言が相次いだ。だが、専門家の間からは「“山越え”どころか、どでかい“時限爆弾”を抱えることになった」との声が上がっているのだ。
「2つ目の山は越えた。3つ目の山を越えることはないだろう」。柳沢金融担当相は、大手銀の平成14年3月期決算で、不良債権処理額が前年度の2倍近い約7兆7000億円にものぼったことを受け、こう述べた。
2度にわたる公的資金の注入を受け、約10兆円ずつ処理した平成10年と11年3月期が1つ目の山で、今回が2つ目の山というわけだ。
山越えの根拠は金融庁が昨年12月から実施した特別検査だ。検査で不良債権の査定を厳格に行った結果、処理額が激増したというもので、宣言は「いわば自画自賛」(金融庁関係者)だ。
だが、大口債務企業の処理を掲げて実施された特別検査で、法的整理により最終処理されたのは、ゼネコンの青木建設と佐藤工業などごく一部。年明けのダイエーに始まり、フジタ、大京など軒並み救済されており、「問題先送り」というのが、もはや“定説”だ。
民間シンクタンクの金融アナリストは「これらの救済企群が時限爆弾になる」と警告する。
「特別検査をクリアしたこれらの企業は国家のお墨付きもらったも同然。しかし、デフレ不況の進行や激化は必至で、再建が成功する保証はどこにもない。もし経営破綻するような事態となれば、銀行の不良債権処理に対する不信が爆発するだけでなく、日本の金融当局の信頼も失墜。その結果、株、国債、円の日本売りが始まる」
不良債権の“呪縛”は一段と強まっているのが実情なのだ。