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道路公団改革の焦点である第三者機関「道路関係4公団民営化推進委員会」の設置法案の成立が、当初予定より大幅に遅れ、6月にずれ込むことになった。しかも、審議過程で民営化の道筋は深まらないまま。昨年末に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画により、推進委は今年中に具体的な意見をまとめなければならず、推進委設置がずれ込むことによって改革そのものの後退も懸念されている。
道路公団改革はムダな高速道路建設をやめることが出発点。このため、推進委が新規路線建設に対して厳しい採算性の基準を作れば、現在の国の整備計画9342キロを造り続けることは困難になる仕組みになっている。
しかし、国土交通省は審議の中で「9342キロ、さらに予定路線の11520キロは法で決められている。規格を下げるといった方法をいろいろ考えたい」(佐藤静雄副国交相)と、計画遂行にこだわる姿勢を見せ、野党は「これでは推進委が手足をしばられた状態だ」と指摘している。
また、具体的にどの路線を建設するかは、推進委の基準をもとに国交省が決定するというのが政府の方針。ところが、国交省が基準にどこまで拘束されるかは不明確で、結局は同省主導で建設が進むのではないかという疑念も生じている。
推進委の議論は誰がメンバーになるかで左右される。政府は、道路公団OBの起用を否定し、知事ら地方自治体代表を加えることに慎重姿勢を示しているものの、人選はほとんど進んでいないのが現状だ。【中田卓二】
[毎日新聞5月28日] ( 2002-05-28-22:00