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青木建設や佐藤工業が経営破綻(はたん)するなど、再編・淘汰の嵐が吹き荒れた準大手ゼネコンの平成14年3月期決算がほぼ出そろった。“借金棒引き”や経営統合で再生を図るが、建設不況の中、各社は売上高を減らしており、その前途はより厳しさを増している。
2度目の金融支援を受けたゼネコンも依然、状況は厳しい。飛島建設は首都圏で受注したマンション工事の多くが採算割れとなり、営業利益が大幅減。最終損益も115億円の赤字となった。
また、8600億円の有利子負債を抱えるフジタも、開発事業など“負の遺産”の損失処理で340億円の特別損失を計上し、42億円の最終赤字になった。
建設部門を10月に「新フジタ」として分離し、三井、住友両建設の統合へ合流することで生き残りを図るが、新フジタは2700億円の有利子負債を引き継ぐ。将来的に3000億円程度の金融支援も視野に入れるが、先行きは不透明だ。
住友建設も492億円の最終赤字で、債務超過に転落。各300億円の債務免除と債務の株式化で建て直しを目指す。
一方、「自力再建するという路線を変えるつもりはない」(立松修副社長)というハザマは、受注の見返りに保有していたIT(情報技術)関連株の下落による株式評価損や売却損などの特別損失が響いて16億円の最終赤字となった。
立松副社長は「(今年3月の)佐藤工業の破綻後、『次はハザマでは』との雰囲気になり、営業の第一線に相当な影響があり、大丈夫です、と言って歩く日々が続いた」と苦しい営業環境を明かす。同社は有利子負債を2626億円まで減らすなど、再建計画は順調に進んでいるというが、15年3月末の売上高はさらに減少する予定で、最終利益の見通しもわずか6億円。さらなる資産売却や従業員減などを迫られている。
昨年3月に約4300億円の金融支援を受けた熊谷組は、有利子負債を607億円減らし、5847億円に。人件費など販管費を17%削減、税効果会計の恩恵もあり、9期ぶりに25億円の最終黒字となった。
厳しさを増す建設業界では、建設工事受注の前年割れが続いており、15年3月期は建設投資が16年ぶりに50兆円台に縮小するとみられている。
政府の財政再建路線により、公共工事は縮小傾向にあり、民間でもマンション建設も頭打ち。これまで赤字覚悟の安値で受注を確保してきた業者も見直しを進めており、受注や売り上げの減少は避けられない。
準大手ゼネコンをめぐっては、借金棒引きで金利負担が減る一方、「棒引き組には安心して発注できない」との雰囲気が発注者に広がっているのも事実。がんじからめの厳しい台所事情が続きそうだ。