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「やはり、投資信託に対する各金融機関の販売スタンスの差が預かり資産残高の圧倒的な差となってストレートな形で出てきてしまった、ということなのだろう−」
メガバンクの投信窓販担当責任者がこう言ってみせる。
「2002年3月末時点で、投信窓販を実施している金融機関は中小金融機関や生保なども含めると50にも達しているのが実情です。もっとも預かり資産残高ベースで見ると、残高トップの三井住友銀行を筆頭に、その上位陣は大手銀行によって独占状態にあるといっていいでしょう」
以下に“投信預かり資産ベスト5”を紹介してみることにする。
(1)三井住友銀行…1兆5700億円
(2)UFJグループ(UFJ銀行およびUFJ信託)…9200億円
(3)みずほフィナンシャルグループ(第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の合算)…8900億円
(4)三菱東京フィナンシャルグループ(東京三菱銀行、三菱信託)…4300億円
(5)中央三井信託銀行…3900億円
(6)りそなグループ(大和銀行、あさひ銀行)…3700億円
この中で、意外と健闘していると言えるのが、中央三井信託だ。しかも注目すべきなのは、中央三井信託銀行の場合、預かり資産の大部分がいわゆる“個人”によって占められている点だろう。
「ある意味で投信販売の“王道”とも言える、個人への販売に特化しているという点で、非常に評価できる。また中央三井信託銀行の場合、株式投信の預かり資産残高が、投信窓販を実施している金融機関の中でトップに立っているのです。こうした実績を残すためには、相当キメ細かいセールスを展開しない限り不可能でしょう」(前述の投信窓販担当責任者)
ところで、もう一点注目しておきたいのは、2001年3月末と比較して、その預かり資産を減少させている銀行もある、という点だ。
主要行の中で預かり資産残高が減少したのは、以下の5行だ。
旧第一勧業銀行…マイナス340億円
旧富士銀行…同320億円
あさひ銀行…同1270億円
UFJ銀行…同1480億円
旧日本興業銀行…同2340億円
「こうした状況からも明らかなように、みずほ勢の投信窓販に対する消極姿勢が目立っている。それと好対照となっているのが、東京三菱銀行と三井住友銀行だ。東京三菱銀行は2001年年度の1年間で、1600億円も残高を増やしているし、三井住友銀行に至っては2140億円も増やしている。この増加分の過半は預金からのシフトと見られるが、単なる自然体で臨んだのではこうした結果は出てこないだろう。態勢を十分に整えた上で積極的なセールスを展開しない限り、こうした実績を残すことは不可能だ」(前述の投信窓販担当責任者)
コマーシャルバンク化へのシフトを強めつつある大手銀行にとって、投信窓販によって得られる“フィー(手数料)”を拡大させていくことはまさに必要不可欠だと言える。
みずほグループが、今後どのような形で巻き返しを図ってくるのか、注目したい。
2002/5/28