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スタンダード&プア―ズ(S&P)は、大手銀の2002年3月期決算発表を受け、現在の格付けを直ちに変更するものではない、とする一方で、不良債権の急増や株価下落による含み損の拡大が生じた場合、邦銀に対する格付けを見直す可能性がある、との見解を示した。
S&Pは、業績悪化は予測の範囲内で、大手邦銀の格付けには、ぜい弱な財務体質は織り込み済みだとして、「現在の格付けを直ちに変更するものではない」としている。ただ、現在の予想を上回る事業環境の悪化で、不良債権の急増や株価の一層の下落による含み損の拡大が生じた場合、「邦銀に対する格付けを見直す可能性がある」と指摘。S&Pが現在織り込んでいる政府支援に対する見方の変更によっても見直される可能性がある、という。
一方、S&Pは、不良債権問題について、今後2、3年は引き続き高水準の処理費用が見込まれると予想。また、各行が今年度に見込んでいる2.5兆円の処理費用(単独)についても、「見通しは楽観的であり、銀行の不良債権処理費用はコア収益に比べて比較的高い水準にとどまるだろう」とみる。
自己資本の内容については、2002年3月期の大手邦銀のティア1自己資本比率の平均が、前年同期の6.2%から5.4%に低下した、と指摘した上で、「将来追加的に発生が見込まれる損失を考慮すれば、大手邦銀の自己資本は引き続きぜい弱な水準にある」と分析している。