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政府税制調査会(首相の諮問機関)は24日の総会で、6月中旬をめどにまとめる税制抜本改革の「基本方針」の骨格を固めた。財政赤字の拡大や、少子・高齢化などに対応するため、課税ベースの拡大に主眼を置き、中長期的には増税色が濃い点が特徴だ。具体的には、消費税率を将来的に引き上げる方向性を明確に打ち出すほか、たばこ税の増税や、法人事業税への外形標準課税導入などを盛り込む。総会後に記者会見した石会長は「基本方針」について「10年、20年先の税制のあるべき姿を提示する」と強調し、デフレ脱却だけが目標の短視眼的な改正には慎重姿勢を示した。消費税率の引き上げ時期については「メドはついていない」としたが、「10年、20年先には2ケタ前半になっているかもしれない」と、将来的には税率が10%を超える可能性に言及した。
消費税については、消費者が支払った消費税が、事業者の手元に残る「益税」を解消して納税者の信頼回復を図ることが、短期的な政策目標として不可欠、との見解でほぼ一致した。そのため、「益税」の原因とされる中小事業者向けの簡易課税制度や、納税免除制度の整理・縮小を進めることを明記する。
そのうえで、2004年度に基礎年金の国庫負担割合が、現行の3分の1から2分の1に増えることになっている点などを踏まえ、現行5%となっている消費税率の引き上げは将来的には避けられないとの表現も明記する方向だ。
昨年末にも、有力な増税候補に上がったたばこ税は「有力な税源であるとともに、健康・環境面に配慮するため」(政府税調の石弘光会長)増税方針を示す方向だ。また、都道府県税である法人事業税には、企業の公共サービスの受益に着目して、赤字法人にも課税する外形標準課税の導入を改めて求める。
このほか、税負担構造を「薄く広く」するため、配偶者控除や扶養控除など所得税の各種控除を整理して課税範囲を拡大、所得税がかかる最低水準の年収を示す「課税最低限」の引き下げも打ち出す。また、企業の約7割が法人税を納めていない実態を是正するため、各種租税特別措置(政策減税)も大幅に整理・統合する方針だ。
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政府税調が固めた税制抜本改革基本方針の骨子。
▽消費税は益税の解消を進めて信頼を回復し、将来は税率の引き上げを検討
▽たばこ税は税率を引き上げる方向で検討。酒税は区分の簡素化を目指す
▽法人事業税に外形標準課税を導入
▽資産課税は相続税と贈与税の一体化を目指す。
▽道路特定財源は一般財源化を検討
▽所得税は配偶者控除などの人的控除を整理。税率の引き下げや累進構造の緩和には慎重に対応
▽国から地方への税源移譲は、歳出見直しや合併の促進などを前提に検討
▽法人税の租税特別措置は「選択と集中」により、可能な限り簡素化
(5月24日20:16)