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●「現実」〜相次ぐ地銀などの融資打ち切り
金融庁は、地域の中小金融機関の健全性を高めるため新たな検査マニュアルを作成中だ。実質的には金融機関が中小企業向けに融資を行う際に厳格な査定を求めていることにほかならない。しかし、金融当局はこのマニュアルの導入が新たな不安の芽になりかねないことに気づいている。もちろんそれを誰も口にしない。
今、地域金融機関と中小企業の間で現実に何が起きているのか。マニュアルの導入を控えて金融機関の保身のため、事業の継続に可能性を残していても融資を打ち切る例が激増し、少しでも回収額を増やすため整理回収機構などに売却する動きが顕著になっている事実はあまり知られていない。そのケースでは、事業主のすべての資産が差し押さえられる。血も涙も無い事態が待っているのだ。「冷血」なのは大手銀行だけではなかった。昨日まで仏の顔をしていた信組の職員が突然、「鬼」と化すケースが急増している。かつての貸し渋り以上に過酷な状況が静かに続いている。新たな中小金融機関のためのマニュアルが導入されれば、この動きがさらに加速することは火を見るよりも明らかである。
●「戦々恐々」〜預金移動ピークは2002年度後半か
2003年4月には普通預金もペイオフの対象になる。預金の移動は再び起こるのか。ペイオフを抜かずの宝刀と密かに当局者が囁いても、それはどんな小さな金融機関でもペイオフは実施されないのだという例が積み重ならない限り、預金者の動揺は抑える事ができないであろう。そこには気の遠くなるような時間が必要になる。
しかし、逆にどこまでいってもペイオフという狼はいつ来るか分からないと恐れられることになるのかしれない。政府は、ペイオフが抜かずの宝刀だとは口が裂けても宣言できないのだから。そういう事になれば、ペイオフの全面解禁に向け預金の移動が起こることは確実だろう。それも2002年度の後半に。
●「悪霊」〜“金融危機の芽”に憑りつかれた当局
今は中小金融機関の破綻もなく、金融界は静けさを取り戻しつつあるように見える。しかし2002年度の後半は、第二地銀以下の中小金融機関にとって本当の修羅場が待っている可能性が極めて高い。貸すに貸せない「貸し渋り」や「貸し剥がし」の現実、連鎖的な中小企業の破綻、預金の大量流出、そして破綻という結末―。信金や信組のトップは、そんな悪夢に苛まれている。そればかりか、金融当局はどこまでいっても摘み取れない“金融危機の芽という名の悪霊”に、まさしく憑(と)りつかれていると言っても過言ではあるまい。
(東山 恵)
・「金融再生最前線」〜淘汰本番第2波は地域機関か<上>
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200205/16/20020516102521_54.shtml
・金融庁「金融システム安定化追加施策」全容が明らかに〜地銀再編促進や融資厳格化
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/11/20020411115008_73.shtml
・「金融再生最前線」〜G7で財務相が“危機回避”宣言する?!
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/08/20020408155505_07.shtml
・「深層・真相」〜日銀当座預金残高が伝える“みずほ”と金融危機
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200204/10/20020410152513_09.shtml
・「金融再生最前線」〜次は6月か、二流トリックで隠された3月危機
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200203/22/20020322091520_44.shtml