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(回答先: 5円も動けば皆が迷惑=塩川財務相(時事通信) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 22 日 19:26:23)
政府・日銀が実施したドル買い/円売りの為替介入について、民間エコノミストの多くは、企業収益の前提を崩したくない政府の意思表示と受けとめており、介入レートとタイミングを評価する声もある。しかし、今後、1ドル120円より円高が進んだ場合、今年度の企業収益に影響が及ぶ可能性が大きく、景気底入れ宣言をした政府が内需主導の回復を実現できるかどうか、危ぶむ見方が少なくない。
<120円割れなら企業収益に懸念>
今日の介入について、国際証券チーフマーケットエコノミストの一戸三千雄氏は、円高の加速で企業収益への懸念も高まってきたため、「企業収益が改善する前提を崩したくないという政府の意思が為替介入となって表れた」と推測する。「リーズナブルなタイミングでの介入で、株式市場もそれを好感して上昇したと思われる」(一戸氏)と評価している。
3月日銀短観によると、日本企業の採算レートは、今年度は1ドル=124円台。輸出企業について、4月発表の内閣府調査は115円台を採算レートとしている。野村総研日本経済研究室長の村嶋帰一氏は、こうした調査結果からみても、「120円から125円程度なら企業にとって大きな問題はないが、120円を割ると、企業収益の前提が崩れてくる」とみる。
企業収益にまだ多少ののりしろは残っているとしても、「今日の水準で介入してアラームを出したと見られる」(東京三菱証券債券ストラテジストの佐藤慎一氏)との見方もある。
<景気底入れに自信ない政府>
今回、政府が景気底入れ宣言をした直後に円売り介入を実施せざるをえなくなったことについて、政府は景気回復を演出したいが、実際にはその自信がないことを露呈した形になったという指摘も出ている。
第一生命経済研究所の主任研究員、熊野英生氏は、「政府は景気回復を強調することで政権の維持を図ろうとしている。しかし景気回復は政府の後押しがなければままならず、政策当局者自身もそれをよくわかっている。デフレ対策を議論したり、為替介入を実施しているのはそのためだ」と解説する。
日銀も今日発表した5月の金融経済月報で景気判断を再び上方修正したが、野村総研の村嶋氏は、「日銀はまだ景気回復には一波乱あると見ているようだ。当座預金残高15兆円の維持も難しくなるだろうし、景気については半身に構えていくつもりだろう」としている。円高に対しても、政府・日銀は企業の収益改善シナリオが狂わないように対応するだろう、と同氏は見る。
円相場の行方について、東京三菱証券の佐藤氏は、「経常黒字が増加傾向にあり、需給面からみると、円高圧力は続く」と予想する。「今の円高は主要通貨の不美人投票の結果ともいえる。1−3月の日本のGDPが高くなりそうだとの観測があるためだ。本来なら、日本景気回復が本格化する7−9月あたりから円高にふれ始めるとみていたが、このタイミングはやや時期尚早」という。
第一生命経済研究所の熊野氏も、「足元はアジア向け輸出が好調だが長続きするか不透明な面もあるし、設備投資も弱い。ファンダメンタルズからみて円高が長続きするとは思えない」と見ている。