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政府の「景気底入れ」宣言に歩調を合わすように、景気の指標の一つとされる素材産業の回復を示すデータが20日発表された。日本鉄鋼連盟発表の4月の粗鋼生産量は前年同期比1・4%増の876万8000トンで、昨年3月以来、13カ月ぶりに前年同期を上回った。一方、日本製紙連合会発表の4月の紙・板紙の出荷量も0・1%増の256万7000トンで、15カ月ぶりに増加に転じた。内需は依然低迷し、輸出に引っ張れた要素は強いが、素材産業にも薄明りがみえてきた形だ。【宇田川恵】
4月の粗鋼生産量は前月比でも0・7%増。うち特殊鋼は前年同期比4・3%減の157万3000トンで、9カ月連続の減少だったが、普通鋼は2・8%増の719万5000トンで、2カ月ぶりに増えた。
速報値のため、国内、輸出の内訳は未公表だが、中国、台湾、タイなどアジア向け輸出が粗鋼生産増に貢献したとみられる。3月実績は、全鋼材の輸出量が29・1%増の320万4000トンで、1984年(339万6000トン)以来、18年ぶりの高水準を記録した。「各社はこの1年、生産調整してきたが、輸出に引っ張られ、生産がやや上向いてきた」(鉄鋼連盟情報管理部)という。しかし、「内需は引き続き低迷し、大幅増につながるとは限らない」(同)との見方が強い。
一方、4月の紙・板紙の輸出向け出荷量は円安を背景に31・2%増の11万8000トンと大幅な伸びだった。国内向けは1%減の244万9000トンと低調だが、3月(4・6%減の265万9000トン)と比べ、マイナス幅は縮小した。製紙連合会会長の大国昌彦・王子製紙会長は「確実に好転したとはいえないが、下げ止まり感は明らかで、製紙業界も底を打ったという実感はある」と述べた。 【宇田川恵】
[毎日新聞5月20日] ( 2002-05-20-21:31 )