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半導体メモリーの主力であるパソコン向けDRAM(記憶保持動作が必要な随 時書き込み読み出しメモリー)の価格が急落している。米マイクロン・テクノロジー による韓国ハイニックス半導体のメモリー部門買収の白紙撤回をきっかけに需給 悪化観測が広がり、指標の128メガビットDRAMの大口需要家向け価格は現在 3・9−4・2ドルと、4月の5・2ドルに比べ2割程度下落した。
昨年末を底に急回復してきた半導体市況の反落は、政府の「景気底入れ」宣言 に水を差す格好となった。
世界的な情報技術(IT)不況を背景に、128メガビットDRAMは昨年11月に 1・5ドルという記録的な安値をつけたが、メーカーの減産が功を奏し、今年1月に 3・0ドル、2月4・2ドル、3月5・2ドルと月を追って値を上げてきた。
だが、4月末にハイニックスのメモリー部門売却交渉が労組の反対などで頓挫。 世界のDRAM市場でマイクロンが2位、ハイニックスは3位で、買収による市場の 寡占化による価格上昇を見込んでいた市場関係者に失望が広がった。
今後の市況について、沖電気工業の篠塚勝正社長は「在庫が一掃され実需が 動き出しており、その傾向は基本的に変わらない」と強気の見方を示す。一方で 「経営難に陥っているハイニックスが資金繰りのため、DRAMの投げ売りにでる 恐れがある」(大手証券系アナリスト)と警戒する声も出ている。
▽DRAM パソコンなどコンピューターのデータの記憶に使う汎用の半導体。 転送速度が遅く、消費電力も高いが、大容量化しやすいのが特徴。世界的な情 報技術(IT)不況を受け、2001年の世界市場の規模は前年比62%減の約118 億ドルに縮小した。1980年代には日本企業が一時、世界市場の約80%を握っ たが、90年代に入ると巨額投資を重ねた韓国、米国メーカーと立場が逆転。東 芝が昨年末に撤退を決めるなど、単独でDRAM事業を手掛ける国内メーカーは 事実上姿を消した。
(05/19 15:27)