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生命保険最大手の日本生命保険は１７日、２００２年３月期決算で、不測の事態に備えて積み立てている内部留保の「価格変動準備金」と「危険準備金」を、あわせて約１５００億円上積みする方針を明らかにした。
業界２位の第一生命保険も数百億円、安田生命保険も数十億円の準備金を積み増す見通しだ。一方、住友生命保険、朝日生命保険、三井生命保険の３社は株式の含み損処理などのため、逆に準備金を取り崩す方針で、大手生保の中で、財務体力の格差が一段と鮮明となってきた。
日本生命は１５００億円の準備金増額によって、二つの準備金の残高を計８６００億円程度とする。また、第一生命は数百億円を上積みして、株価や為替などの市場変動リスクや、長引く低金利による運用難など厳しい経営環境に備える。
一方、朝日生命は同３月期に、約１８００億円ある価格変動準備金と危険準備金のほとんどを取り崩し、株式の含み損４０００億円の処理を進める方針だ。三井生命も７００億円の価格変動準備金と１３００億円の危険準備金の一部を取り崩すほか、住友生命は価格変動準備金だけを取り崩す方針だ。
価格変動準備金は、株式など資産価格の急激な下落に備えるために積み立てが義務づけられている。一方、危険準備金は大災害などで多数の死傷者が出た場合の保険金支払いに備えるのが目的だ。ただ、どちらも取り崩して、含み損や不良債権の処理などに充てることができ、９５―９８年ごろに多くの大手生保が不良債権処理に使った例がある。
今回は、上積みするグループと取り崩しに踏み切るグループに分かれ、生保業界の「二極化現象」が一段と鮮明になった格好だ。
(5月18日03:03)

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