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政府は16日、日本の鉄鋼メーカーが粗鋼生産能力を年内に2000万トン以上削減する見通しとなったことを明らかにした。鉄鋼メーカーが休止中の高炉を再稼働しない計画を確認することにより、高炉が事実上廃棄されたとみなして生産能力削減の見通しがついた。
粗鋼生産の削減問題は、昨年末から経済協力開発機構(OECD)のハイレベル鉄鋼会合で協議され、2005年までに参加41の国や地域全体で最大約1億2800万トン分の設備削減の目標が示された。このうち日本は2005年までに2800万トンの能力削減を表明していたが、この計画を大幅に前倒しすることになる。政府は、この方針をOECDへ表明する考えだ。
鉄鋼を巡っては、米国の鉄鋼製品の緊急輸入制限(セーフガード)措置に対して、日本政府が報復関税リストを世界貿易機関(WTO)へ通告することを決めるなど紛争が起きているが、その背景には、米鉄鋼業界が鋼材市況の悪化で経営不振に陥った事情がある。このため、中国に次いで世界第2位の粗鋼生産量を持つ日本は、報復措置でアメリカのセーフガード乱発を阻止する一方で、現在1億4500万トンの粗鋼生産能力の13・8%にあたる2000万トンの削減を打ち出すことで鋼材市況の回復に貢献し、鉄鋼摩擦の軽減を図りたい考えだ。
(5月17日03:10