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米大手会計事務所アーサー・アンダーセンの刑事裁判で16日、アンダーセン元主任会計士のデビッド・ダンカン氏が4日目となる証言を行い、エンロン(ENRNQ)の不正行為を指摘するメモなどを入れたファイルを保存していたことを認めた。
エンロン監査書類の破棄を指示したことで1月にアンダーセンから解雇されたダンカン氏は、4月に司法省と司法取引し、検察側の証人として出廷している。
この日の反対尋問では、アンダーセン側の弁護人のラスティー・ハーディン氏にファイルの存在についてただされると、ダンカン氏は、エンロンのシャロン・ワトキンズ副社長が、昨年8月に不正会計に関する内部告発で指摘した疑惑について、それに関連する書類をひとつのフォルダーに保存していた、と答えた。この答えを受け、ハーディン氏は、このファイルを提示した。
検察側は、ダンカン氏が罪状認否で有罪を認めたことが、アンダーセン自体を有罪とするのに十分と主張している。これに対し、ハーディン氏は、ダンカン氏が司法取引に応じたのは、より厳しい罰を恐れたためで、自身を有罪と本当に考えているからではないと主張。その証拠としてダンカン氏がファイルを保存していたことを指摘した。
このファイルには、エンロンにとって不利な内容のメモが含まれており、ハーディン氏は、ダンカン氏が実際に当局から証拠を隠そうとしたのであれば、このファイルも破棄していたはず、と主張した。
ファイルには、アンダーセンのパートナー、ジェームズ・ヘッカー氏が、ワトキンズ副社長から昨年8月に受けた電話に関するメモも含まれている。それによると、ワトキンズ副社長は、「ラプター」と呼ばれる特別目的会社の問題について懸念を示し、エンロンの財務諸表では開示されていない秘密の取引についてうわさを聞いた、とヘッカー氏に伝えたという。特別目的会社は、エンロンの損失隠しに使われていたとされる。
「シャロン・ワトキンズ氏の指摘した疑惑に関するファイルを破棄せずに保存したのか」とハーディン氏が聞くと、ダンカン氏は「そうだ」と答えた。「証券取引委員会(SEC)がこれをみることについては懸念していなかったからだろう」とハーディン氏が続けて聞くと、検察側はこの発言に直ちに異議を申し立て、判事もこの異議を認めた。
(ダウ・ジョーンズ)