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ソフトバンクが「あおぞら銀行」(旧日本債権信用銀行)の株式売却を検討していることに、柳沢金融相が“待った”をかけた。本業の低迷やIT不況による保有株式の含み損で、平成14年3月期で上場後初の赤字に転落するなど業績が低迷し、同銀行株の売却で穴埋めをしたいソフトバンクだが、銀行の安定経営を目的とした長期保有の“約束”を無視してまで、売却できるのか。
ソフトバンクは、あおぞら銀株式の48・87%を所有する筆頭株主。同銀行は平成12年9月、破綻した旧日債銀がソフトバンク、東京海上火災保険、オリックスの3社を中心としたグループに譲渡され、誕生した。
このため、柳沢金融相は14日の会見で、ソフトバンクが同行株を売却している動きに、「最低3年は(株式を)持ってくれるという前提で考えている」と早期売却の動きに待ったをかけた。銀行の健全経営には、安定的な株主の存在が不可欠で、株式売買契約時にも「長期的な視野から投資を行う」との1項が盛り込まれていたからだ。
ただ、契約上の「長期」に厳密な規定はなく、法律上、株売却に国の認可は必要ではない。本業の苦境で、背に腹を代えられなくなったソフトバンクが売却しても、金融当局が強制的に止める手立てはない。
ソフトバンクの孫正義社長は一部取材に「売却を検討しているのは事実」とし、金融相の発言には「何とも言えない」と言葉を濁した。
ソフトバンクの平成14年3月期の決算は、売上高こそ前期比2.1%増の4053億円を確保したが、税引き後利益は887億円の赤字に転落した。
異業種からの銀行業参入をにらみ、今年4月に改正銀行法などが施行されているが、ソフトバンクが“ハードバンク”に成りきれなければ、異業種による銀行経営の不安定さが浮かびあがることになりそうだ。