現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
「日経の報道は、いささかフライング気味。大京に対する金融支援策は、現時点では最終決着には至っていない−」
UFJグループ幹部がこういってみせる。
5月14日の朝、東京・兜町周辺の売店に設置された新聞スタンドでは日本経済新聞朝刊だけが一斉に売り切れ状態になった。その最大の理由は、同紙が1面トップという大きな扱いで、「大京金融支援4700億円 UFJなど4000億円債権放棄 産業再生法申請へ」という記事を掲載したからだ。
東京株式市場は、この記事を受ける形で大京の株価が急反発したのである。前日(5月13日)、前日比2円安となる80円の終値を付けていた大京の株価は、新聞報道を受け95円からスタート(始値)、最終的には前日比12円高となる92円で引けたのである(終値)。
とりあえず記事のサワリを以下に紹介しておくことにする。
〈UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、あさひ銀行など4行は13日、経営再建中のマンション最大手の大京に総額4700億円の金融支援を実施する方針を固めた。4000億円強を債権放棄し、残りは債務の株式化に応じる−中略−最終的には、主取引行のUFJ銀行が4000億円強の債権放棄のうち3000億円程度を負担、みずほ、あさひ、UFJ信託の3行が残りの1000億円程度を放棄する見通しになった−〉
この記事自体、大枠としては目新しいものは何もない。今年3月段階で提示されていた金融支援内容と大きく変化はしていない。ただし、今年3月段階のものとの違いを挙げるとするならば、金融支援団の中にUFJ信託銀行が入ってきたことだろう。
「そもそも大京の主要取引銀行は、メーンバンクが旧三和銀行(現UFJ銀行)、準メーンバンクが旧第一勧銀(現みずほコーポレート銀行)、あさひ銀行という構成だった。従って金融支援策についても、これまでこの3行が軸になる形で進められてきた、と言っていいだろう」(主要取引銀行経営中枢幹部)
そして金融支援のUFJ銀行が中心となって策定した当初案としては、大京に対して3行がトータルで4700億円の金融支援を実施するというもので、その内訳としては、債権放棄が約4000億円、債務の株式化(DES)が約700億円、というものだ。
そして焦点となっているのは、約4000億円の債権放棄なのである。当初案では、約3000億円をメーンバンクのUFJ銀行が負担し、残り1000億円を準メーンバンクのみずほコーポレート銀行とあさひ銀行が折半、つまり500億円ずつ引き受ける、というものだったのである。
「ところが準メーンバンクのみずほコーポレート銀行とあさひ銀行が、この債権放棄要請に難色を示したことから、一連の金融支援策の策定作業が遅々として進まなくなってしまったのです」(主要取引銀行幹部)
たとえば、あさひ銀行の主張としては、「大京とのこれまでの取引関係について言えば、当行と旧第一勧業銀行は、決して同じレベルではない。明らかに旧一勧の方が、大京との関係は密接だった。にもかかわらず、負担額がイーブンというのはおかしい」。
一方、旧第一勧業銀行サイドは、「大京は、旧三和銀行が歴代の社長を送り込むなど、同行の不動産部門とでも言うべき会社。だとしたら、UFJ銀行だけで金融支援策を実施すべきだ」。
大京に対する金融支援策が確定するまでには、もう少し時間がかかりそうだ。