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厚生労働省は15日午前、2000年国勢調査に基づく将来推計人口から試算した年金財政の将来見通しを自民党厚労部会などに提示した。
少子化の進展が現状並みの場合、現行の年金給付水準を維持するには、2025年度以降の厚生年金保険料率は、ボーナスを含めた年収の24・8%(労使折半、現行13・58%)、国民年金保険料は月2万9600円(同1万3300円)が必要となる。前回1999年の年金財政再計算と比べて、厚生年金は3・2ポイント、国民年金は4400円も上昇し、「厚生年金保険料率は年収の最大2割程度」との政府の公約が覆る。このため、2004年の次期年金制度改正では、年金の給付切り下げと負担増が大きな焦点になるのは確実だ。
今回の試算は、少子化の動向を示す合計特殊出生率(女性が生涯に産む子供の数)が<1>現状(2000年1・36)より回復する高位(1・63)<2>現状並みの中位(1・39)<3>厳しくなる低位(1・10)――の3類計の人口推計を使用。各推計について、基礎年金の国庫負担割合が現行の3分の1のままの場合と、2004年10月から2分の1に引き上げた場合の計6通りを試算した。
少子化が最も進む低位推計では、国庫負担が現状のままの場合、厚生年金27・5%、国民年金3万3000円と、現行の2倍以上への引き上げが必要となる。
国庫負担の引き上げが実現した場合は、中位推計で厚生年金22・4%、国民年金2万1600円にとどまり、保険料の引き上げ幅は改善される。
厚生年金の保険料率は、現行制度では月収の17・35%だが、来年4月から年収ベースで徴収する総報酬制に切り替わるため、年収ベースで比較した。
一方、同省が同日公表した「社会保障の給付と負担の見通し」によると、年金と医療、福祉(介護を含む)の社会保障負担総額は今年度の82兆円から2025年度には182兆円へと2倍以上に増加する。
また、社会保障負担と租税負担の合計が国民所得に占める割合を示す国民負担率は、今年度の38・3%から2025年度は52・5%に悪化し、2000年10月に行った前回試算時より1・5ポイント増えた。