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経営再建中のマンション最大手「大京」(長谷川正治社長)に対する主取引4行の金融支援策がようやく固まった。UFJ銀、UFJ信託銀、みずほコーポレート銀、あさひ銀は、総額4700億円の金融支援を行う。4000億円強の債権放棄を行い、残りは債務(銀行側にとっては債権)の株式化で対応する。これにより、業界最大級1兆円超の連結有利子負債はほぼ半分に圧縮され、大京は事業を本業のマンション分譲に特化して再出発を図る。
大京への金融支援方針は2月下旬、銀行側から打ち出され、3月上旬に大京側が4行に支援を要請した。支援策は当初、3月中にまとまる予定だったが、「ダイエー支援も抱えたUFJ銀の負担率など、各行の負担率を巡り交渉が難航」(金融アナリスト)、5月中旬までずれ込んだ。
今回まとまった金融支援の内容は、メーンバンクで連結有利子負債の約4割を占めるUFJ銀が、約3000億円を債権放棄。みずほ、あさひ、UFJ信託の3行が合わせて1000億円程度を放棄する見通しだ。債務の株式化を含めると金融支援は総額4700億円となり、当初見込みの「3000億円超」を大きく上回る。「再建を軌道に乗せるためには、中途半端な額では不十分」(前述同)との判断が働いたとみられる。
大京の連結有利子負債は、売上高の2.7倍に上る1兆729億円(平成13年3月末時点)。今回の金融支援で、これが約半分に圧縮されることになる。
“身軽”になった大京は、今年度中に賃貸ビルやゴルフ場、ホテルなど不振の不動産部門を切り離し、不良資産を抱える「不動産会社」に分社化したうえで、本体の経営を好調なマンション分譲事業に特化する。
また、単体の資本金約700億円を50%減資し、不良資産の処理に充てる方針だ。メーンバンクの旧三和銀出身の長谷川社長の続投も濃厚とみられる。
ただ、好調とされるマンション事業についても「今後需要の減退も予測されるほか、他社との競争も激化する」(民間調査機関)とみられており、その先行きは決して楽観できないのが現実だ。