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日本銀行は14日、田谷禎三審議委員が9日、都内で行った講演録を公表した。それによると、田谷委員は「日銀としては、資金供給手段として、ドル債を買うことは法律上可能」としがらも、「少なくとも、現時点で、ドル債をオペ手段として使うというのは、センシブル(賢明)なオプションではない」と指摘した。
田谷委員は1−3月の成長率について「プラスを予想している」と言明。そのうえで「輸出の増加を起点とした、製造業を中心とした企業収益の改善が続くにしたがって、経済全体も緩やかながらも回復の方向に動いて行くものと思われる」と指摘した。
田谷委員はさらに「景気は今後底打ちから緩やかな回復局面に入って行くことが想定されるが、こうした中心シナリオに対してさまざまな上振れ、下振れをもたらすかもしれない要因がある。景気が想定通りに回復して行くとしても、当面、海外景気次第という他力本願のぜい弱なものでしかないし、どちらかと言うと上振れより下振れのリスクが勝っているようにも思う」としている。
ドル債購入は法律上可能
量的緩和については「効果はそれなりにあったとは思うが、経済・物価情勢を改善させるには力不足だったことは否めない」と指摘。「時と場合にもよるが、一時的なリスクプレミアムの上昇を抑制するために長期国債の買い切りを増やすことは考えられないことはないと思う」としながらも、「ある程度以上の期間にわたって長期金利を人為的に低位に維持することは、不可能ではないにしても、極めて困難だ」としている。
また、日銀によるドル債の購入については「資金供給手段として、法律上可能だ」としながらも、「円相場の安定化を目指した為替市場への介入は法律上あくまでも財務省の管轄だ。資金供給のオペ手段を多様化するための一環といっても、市場に日銀が為替相場に影響を与える意図がないと認識させるかたちでドル債を買うことは難しい」と指摘した。
そのうえで、「下振れリスクが顕現化して、何らかの対応をとる場合は、その時利用可能な手段に即して考える、ということになる。私は、政府があることをしないから、われわれサイドもこうしない、といった立場はとっていない。これまでも、その時々の経済・金融市場の状況を見ながら、最大限できることをしてきたし、これからも、そうして行きたいと思っている」としている。