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◆日本国債がけっぷち
02.5.13 日経金融新聞(一面トップ記事)
・格下げならボツワナ並み信用リスク
「 日本国債は先進国では例がない途上国並みのシングルA格への近日中の転落が確
実視されている。格下げが現実となれば投資家が売却に動きかねない危険性もはらみ、
財務省は消化円滑化に向け新法作りにも動いている。「暴落説」への懸念も残り緊張
が高まる財務省や市場関係者などの「格下げ前夜」の動きと今後の影響を探ってみた。・・・」
・財務省 暴落におびえる
「・・・先週末の債券市場では13日のムーディーズのセミナーが話題をさらった。日本国債
格付けを担当するトム・バーン氏が講演する。テーマはずばり「アジアの銀行及び政府
格付け」だ。・・・」
「・・・「2段階下げが濃厚だ」「格下げは2週間は延びたらしい」-----先週の市場では国債格
下げに異常とも言える関心が集まり、うわさが錯そうした。これほどの注目は、今回の格下
げがこれまでとは全く違った意味合いを持つからだ。・・・」
「・・・国際決済銀行(BIS)が検討中の新しい自己資本比率規制では、ダブルA格国債はリス
クゼロだが、シングルA格なら保有する金融機関にとっては20%の信用リスクが生まれる。
金融庁の判断で新規制が国内銀行に適用されることはないとみられるが、シングルAへ
転落なら海外銀行はもとより、日本の大手銀行もいまよりは日本国債を手掛けづらくなる
可能性がでてくる。日本企業の社債格付けにも微妙な影響は予想される。・・・」
「・・・財務省は再反論を示唆しているが格付け会社のスタンスは変わらない公算が大きく、
市場はいや応なく格下げを織り込みだす。財務省は次第に追いつめられ始めた。・・・」
・国内投資家下支え
・外国人の我慢いつまで
「・・・日本国債を取り巻く環境は実は最悪だ。発行残高は2月末で約432兆円と史上空前の
規模まで膨らんだ。デフレが実質的な負担を増大させている。
外国人投資家がこうした状況にいつまで目をつぶっているかわからない。外国人の日本
国債保有比率は5%に過ぎないが動き出せば影響は少なくない。・・・」
「・・・財務省も国債暴落説には警戒感は強い。
4月24日夜、都内の政府の迎賓施設。谷口隆義財務副大臣と理財局長ら幹部は、金融
機関の国債担当5人を招き、座敷で向かい合った。
谷口副大臣は「日本国債が暴落するという人がいますが、本当にあり得ますか」と国債
暴落説に言及。民間側はそろって「現実的には可能性は低い」と答えた。
出席者たちは「副大臣は内心、国債暴落を非常に警戒、市場関係者から直接、情勢を
聞きたかったのだろう」と感じた。秘密裏の会食は国債市場の動向に神経をとがらせる
財務省の姿を物語っている。」
◆「みずほ恐慌」に備えよ
・-----解約急増し「出血」やまぬメガバンク-----
2002年5月号 選択
「本誌は1月号で「『みずほ』に明日はない」と書いた。だが、その予言がシステム障害で実現
するとは思わなかった。・・・」
「・・・国有化か、解体か-----。いや、第一勧業、富士、日本興業三行が経営統合して、世界
一の総資産150兆円を擁するメガバンクに生まれ変わるという壮挙、いや暴挙がもう後戻
りできない以上、完膚なきまでに切り刻み、縮小させるしかないのではないか。・・・」
・「預金が消える?」怯える顧客
「・・・みずほへの不安が津々浦々に広がった。みずほは口を閉ざすが、預金者や取引企業
が口座を他行に移す「みずほ離れ」は、金融庁や日銀が慄然とするほどの勢いで広がって
いる。・・・」
「・・・みずほの口座を解約し、他行に口座を開こうとする顧客が、三菱東京、三井住友、
UFJなどに殺到、「下手をすると他行のシステムがパンクする」事態が憂慮されている。
システムリスクが、信用秩序全体を混乱に陥れるシステミックリスク-----要するに「恐慌」
に変じる恐慌である。・・・」
「・・・恐慌は同じ顔をしてやって来ない。昭和金融恐慌が大臣の失言で始まったのなら、今度
はプログラマーの些細な見落としが引き金だったかもしれない。・・・」
・目を覆うばかりの「経営不在」
「・・・危険きわまりないシステム統合を決めたのも経営不在なら、統合の延期や再テストを決
断できなかったのも経営不在のなせる業だ。さらに悪質なのは、3月30日に口座振替シス
テムの障害が判明していたにもかかわらず、特別な手当てもなしに統合を強行。顧客に何
ら説明もしなかったことである。・・・」
・「同罪」の富士通も窮地の恐れ
「・・・当初計画では、勘定系システムが一勧系に統一される「片寄せ」方式だったが、システム
開発の工数が膨らむ上に元帳データを移さなければならないことを理由に「ブリッジ」方式に
変えた。この変更には一勧系のメーンフレームとリレーコンピューターの両方を受注していた
富士通が深く関わっている。秋草直之社長自身も乗りこんで当初案を覆したというから、数千
億円の受注額の相当部分を返さなければならないかもしれない。富士通は経営難に陥り、主
力行のみずほに新規融資を仰ぐという笑えない事態になるのだ。・・・」
・もう「メガバンク」は要らない
「・・・みずほは公的資金注入が生んだ「化け物」だ。一度死にかけたはずの大手銀行が、公
的資金によってゾンビのように復活し、「つぶせない」モラルハザードのなかで巨大化した。
「化け物」はいまだに1つの生命体として機能せず、細胞は別々の意思で蠢く。システム障
害はその一例に過ぎない。・・・」
「・・・金融庁には一銭も新たな税金を使わずにみずほを国有化する手段がある。預金保険
機構が保有している優先株を普通株に転換し、議決権を取得することである。議決権を
行使して、みずほを少なくとも三行に解体し、そのうえで一行ごとに厳しい緊急検査を断
行すべきである。今さら無理というなら、資金流出で資産が縮小した分、万単位でレイオフ、
縮小均衡するしかない。「メガバンクみずほ」はもう要らないのである。」
◆国債は「ジャンク化」する
・「吊り天井」落ち邦銀道連れ
2002年5月号 選択
「・・・「日本の底力を知らんのではないか」。福田康夫官房長官は、ムーディーズがいたくお気
に召さないらしい。・・・」
「・・・今年2月には国債の格付けをさらに引き下げる方向で見直すと発表、正式格下げが時間
の問題になっているからだ。・・・」
「・・・「日本の底力」は、国や企業の「信用」を取引するデフォルト・スワップ市場に正直に現れて
いる。この市場では、日本国債を保有する投資家はデフォルト(債務不履行)リスクから逃れ
るために、プレミアム(保証料)を支払う。
昨年11月には0.1%台だった日本国債の保証料は、昨年12月の格下げを機に0.2%台に
上昇し、さらに今年2月の格付け見直しの発表で0.3%台にはね上がった。0.3%台の保証料
は、シングルA格の国債に求められる水準。マーケットはすでに格下げを織り込み済みなのだ。・・・」
・危機切迫でも債券市場のほほん
「・・・なのに、日本の債券市場は春風駘蕩そのもの。・・・」
「・・・だが、政府は内心気が気でない。財務省はこっそり国債の裏口消化策を準備したかに
見える。・・・」
「・・・その中に「国債整理基金特別会計法」の改正案という曲者が紛れこんでいるのだ。・・・」
・「危ないおもちゃ」手にする財務省
「・・・ペーパーレス化を隠れ蓑にした改正案の出しかた自体、姑息というほかない。財務省
理財局は自民党の財務・金融部会で一応説明したが、改正案にいう「一定の方法」が何
かも明らかでなく、金利スワップの知識のない議員はチンプンカンプン。何の異論も出ず
に了承され、今国会ではすんなり成立する見通しというから、立法府の無知につけこむ
「霞が関の宦官」ここに極まれりである。・・・」
・崖っぷちから突き落とされる邦銀
「・・・財務省が支離滅裂に陥っている中で、日本国債はBa格(BB格に相当)以下の投資不
適格(ジャンク)債に向かって転落しようとしているが、その前に邦銀の債務がジャンク化
しかねない。・・・」
「・・・3月27日にムーディーズは、邦銀の下位劣後債務(破綻時に返済順位の低い債務)と
優先株・優先証券についても、格下げの方向で見直すと発表した。・・・」
「・・・金融の周辺部でジャンク化はいやおうなく進んでいる。ムーディーズは1月、地銀五行
について期間1年未満の短期預金格付けを適格な払い戻し能力が認められない「ノット
・プライム」に引き下げた。大手銀行より先に生保も2〜3段階格下げされ、住友生命は
はやジャンク扱いを受けている。
日本国債という忍者屋敷の吊り天井が下がると、非力な金融機関の足元の床がぱかり
と開いて、ジャンクの座敷牢に突き落とされる構図なのだ。」
http://www.f-open.or.jp/~fks511/torend.html