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【上海12日=深沢淳一】
上海で開かれていたアジア開発銀行(ADB)年次総会は12日、加盟国代表らの演説を終了し、閉幕した。3日間の会議では、景気回復の手応えを強調するアジア各国と、低迷から依然抜け出せない日本との間で回復スピードの違いを浮き彫りにした。一方、議長国を務めた中国は途上国代表の存在感をアピールした。
総会でアジア各国からは、「今年は4―5%の成長が見込める」(マレーシア)、「経済状態は改善しており、2・5―3・5%の成長が可能だ」(タイ)など、回復の足取りを確信する演説が相次いだ。
これに対し、塩川財務相は「日本経済は今年後半には回復に転じることが期待される」と苦しい説明に追われた。
不良債権処理や企業部門の再編をほぼ終え、最近は景気過熱の懸念も強まっている韓国は、「構造改革を持続する重要性を認識している。今年は5%程度の成長が期待される」と演説し、日本の取り組みの遅れを逆に際立たせる形になった。
一方、中国代表は「先進国はADBに資金提供や貧困削減事業で一層貢献すべきだ」「政府開発援助(ODA)は好意ではない。国際的な所得配分を是正する必須な手段だ」などと述べ、先進国やADBに対して明確な注文を付けた。江沢民国家主席も開会式で、域内の経済格差是正に向けた協力の強化を呼びかけるなど、途上国のリーダーぶりを強調していた。
(5月12日18:39)