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http://www.mitomo.com/doc/c56.htm
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■ − 狂牛病という呼称について(農林水産省生産局畜産部及び関係各位 殿) − ■
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過日、ある市の保健所から小社にメールが届きました。内容は下記の通りです。
「コラム興味深く拝見させていただきました。しかしながら、現時点において尚「狂牛病」という不適切な表現をされていることが残念であります。つきましては、下記のHPを参照になり呼称を改めて頂きますようお願いいたします。「狂牛病」という不適切な呼称による風評被害のために食肉関係業者の方々が受ける被害は大きなものであることをお伝えしておきます。
牛海綿状脳症の呼称について(お願い) 農水省 日本獣医師会 http://www.agri.pref.chiba.jp/nourin/news/chiba/kyougyuu020227b.html(○○○○市保健所 市場監視室からのメールより引用)」
内容は読まれてお解りのように「狂牛病」という呼称は風評被害を招く不適切な呼称なので「BSE」に改めなさいという主旨です。このメールを受け取った時に「バカバカしい」と思いました。狂牛病だろうとBSEだろうとどちらでもいいようなことに対して貴重な保健所の勤務時間を使い業界を守ろうとしています。元々の原因は農水省などの行政が業界を守ろうとEU委員会から出された報告書の「フランスと同等の狂牛病汚染の危険性がある」という内容に憤慨したからです。
日本政府は国益にかかわるからとEU委員会に報告書の作成を断念させるという不適切な対応で狂牛病を日本で発生させておきながら業界を守るために多額の税金を使い、その穴埋めをしようとしています。この経済危機で税収が減っている時にどうでもいいような呼称を改めさせるために税金を使うことを何と思っているのでしょうか。くだらないことに税金や時間を使っていることにまったく気づいていない。これだから財政が苦しくなるばかりです。こんなに業界のことばかりに働くのなら税金から給与を出さないで業界から給与をもらった方がいいのではないでしょうか。農水省や保健所は国民や市民の健康や安全を考えるからこそ国民や市民が出した血税から給与が出ていると思いますが、ほとんどの行政は業界側に立って業界寄りの行政を進めています。
「私は現場で直接食品業者の方々と接する仕事をしております。その中で、業者さん達がどれほど狂牛病の風評被害に苦しめられたかを目の当たりにして見てきました。」(某 保健所からのメールを引用)
たしかに風評で業界は苦しめられています。しかし、それ以上に行政は消費者や国民を死ぬかもしれないという恐怖のどん底に陥れておきながら消費者の痛みを全然感じていない。行政は国民、消費者のことは考えず、業界のことばかり気遣っています。
「ほとんどすべての牛は『狂わない』のです。英国の調査によると臨床症状を示す牛は3%程度であるといわれてます。このような確率の症状を『典型的な症状』とすることは医学界・獣医学界では一般にありえません。(中略)『狂牛病』という恐ろしい呼称は消費者の恐怖感を煽り正確なリスク評価能力を狂わせます。農水省や獣医師会が懸念している最大のポイントです。」(某 保健所からのメールを引用)
ほとんどの消費者はBSEという疾患を狂牛病と呼んでいますが牛が狂っているとは思っていません。牛が狂うだけの病気ならだれも恐ろしいとは思いません。牛が狂う狂わないということを恐れているのではなく、ただ汚染された肉を食べて感染し死ぬことを恐れているのです。牛が狂っていようが狂ってなかろうとどちらでもいいことです。だから狂牛病だろうとBSEだろうと関係がないと思います。消費者は狂牛病に感染した肉を食べ死にたくないだけです。
保健所の獣医さんは「『狂牛病』という恐ろしい呼称」と言われているのですが、そんなに呼称自体が恐いのでしょうか。ガンという呼称自体には恐怖心はありませんが、自分自身がガンに冒された時にはガンで死ぬかもしれないという事実がありますので恐いのです。熊というある動物の種類を表す言葉を聞いても恐くもなんともありません。しかし、山道で熊にバッタリ出会えば殺されるかもしれないという事実が目の前にありますので恐怖心を抱きます。それと同じように狂牛病という呼称自体は恐くはありませんが狂牛病に冒された肉を食べた場合はそれによって死ぬかもしれないという事実がありますので恐いのです。実際にイギリスで狂牛病を発病した牛が出た時に日本で肉が売れなくなるような風評被害はなっかたはずです。しかし、日本で狂牛病を発病した牛が発見された時は狂牛病の肉が出回っているのではないかと思い恐くなったので肉を食べるのを控えたのです。イギリスでの出来事は狂牛病の牛が発見されたという言葉だけで日本人の身近に危険という事実がなかったので恐くなかった。しかし、日本で発見された時には危険という事実が身近になったので狂牛病に恐怖を感じたのです。だから言葉ではなく事実が恐怖心を煽るのですから狂牛病だろうとBSEだろうと同じなのです。その証拠に私が大きな声で「狂牛病、狂牛病、狂牛病・・・・・・」と何人もの人に言って歩いても私をバカと思う人はいても狂牛病という言葉にはだれも恐怖心は抱きませんし、風評はどこからも出ません。しかし、「あの牧場の牛はBSEに感染したらしい」と言えば風評は確実に広がります。実際にフランスでは狂牛病のことをBSEと呼んでいますが2000年、フランスにある大手小売店で狂牛病(BSE・牛海綿状脳症)に汚染されたらしい肉が売られていたとして肉の売り上げが3週間に渡り約半分に落ちています。恐怖心は言葉ではなくBSEに感染し死ぬかもしれないという事実があるので恐怖心を抱きます。
私は小社のお得意様に「ここに2つ肉があります。片方の肉は狂牛病の肉で、もう片方の肉はBSEの肉です。あなたならどちらの肉を食べますか?」とお聞きしました。お聞きしました全員が「どちらも食べません」という回答でした。その中で「どちらも同じでしょう?」ということを聞かれた方が多くおられました。全員、BSEと狂牛病を同じ病気だと認識されています。だからBSEという呼称であろうと感染牛が出れば消費者のみなさんは狂牛病(BSE・牛海綿状脳症)と同じ反応することは火を見るよりも明らかです。
保健所の獣医さんは「人間の頭にこびりついたショック・恐怖感は簡単には消えません。しかし、私は一人の獣医師として、狂牛病というマスコミが作った架空の疾患ではなくBSEという実在する疾患を正確に皆様に知っていただきたいのです。」(某 保健所からのメールを引用)
架空の疾患とはどのような疾患をいわれているのか分かりませんが、保健所の獣医さん自身も狂牛病はBSEの俗称と言われているのに狂牛病が架空の疾患と言われています。異常プリオンに感染した牛の肉を食べると人間にも感染して人も死ぬという牛の疾患と思っていましたが、狂牛病がマスコミがつくった違う疾患と言われるのだったら狂牛病はいったいどのような疾患を指すのでしょう。
しかし、消費者には正確な疾患が伝わっているからこそ恐怖心をいだいているのです。BSEと呼ぼうと狂牛病と呼ぼうと全頭検査をしなければ食べられないようなこと自体恐怖なのです。獣医さんや農水省はBSEと呼べばいかにも恐怖感を煽らないかのように言われていることがどうしても私には理解できません。呼称云々で狂牛病が恐いのではなく病気自体が恐いのですからもしも、日本で人への感染者が出れば1頭目と同じように風評が広がり肉が売れなくなると思います。いくらBSEという呼称が浸透していたとしてもです。
保健所の獣医さんは「 BSEは全頭検査でほぼ100%防げるのです。ヒトへの被害も全頭検査以降は0%に限りなく近くなっています。」(某 保健所からのメールを引用)と発言されています。私は全頭検査もまったく信用していません。しかも「ほぼ100%防げる」と「ほぼ」という副詞を使われています。ということは完全に牛肉は100%安全ではないということです。『牛肉が食べたい』(里見 宏著・(株)ジャッパンマシニスト社)にも今の全頭検査が100%完全なものではないことが書いてあります。「日本が採用した方法は、フランス原子力委員会が開発し、アメリカのバイオランド社が販売している『プラテリアBSE』というキットです。狂牛病の牛の脳サンプルを300倍にうすめると20サンプル中2つ(10%)が異常がなくなります。千葉の狂牛病検査に使われたスイスのプリオニックス社のプリオニクステストは10倍にうすめると20サンプル中5サンプル(25%)が異常ではなくなります。ある程度うすまってくると判定ができないのです。それどころか、千葉の場合は症状もあったのにうすめないで『シロ』(陰性)になりました。同じ脳検体で会社がちがうと『異常』になったり『正常』になったりすることがまだこの検査が不完全なことを示しています。よい定量試験法(どのくらいあるかぴったり測れる試験)はまだないのです。異常プリオンの量と発病の関係もわかっていませんから、いちおうの目安にはなりますが、安全の保証とはいいきれないのです。問題は、弱点のある検査でも、それをだまって政治的に『これで100%安全、大丈夫』といっていることです。」と書いてあります。
朝日新聞の『声・本筋に戻そうBSEの怖さ』に「英国は95年に背割りを禁止したのに対し、日本では背割り前の脊髄除去を実施しているのは165施設中73施設しかない。死亡牛は健康牛に比べ30倍の感染率だと言うのに、日本の汚染の広がりの把握に欠かせない死亡牛の検査は手付かずである。業界6団体が全頭検査前の牛肉を買い取る制度から団体に加入していない業者が事実上締め出されたのだから、検査前の肉が流通していることは容易に想像できる。最も不安なのは骨髄から抽出されたビーフエキス類の廃棄が十分になされなかったことである。」(『声・本筋に戻そうBSEの怖さ』投稿者・山本睦子・朝日新聞・2002年9月14日付朝刊)こんなことですから不安だらけです。こんな茶番劇を信じろということのほうがおかしいのです。一般の消費者が知らないということをいいことに「安全だ」とか「安心だ」ということの大安売りを行政はしています。東電の原発でも同じように安全性を強調していましたが、最近ごまかしがボロボロ出ています。この様に隠したりごまかすことばかり業界や行政はしているのですから信じろと言われる方が無理です。
「BSEは全頭検査でほぼ100%防げるのです。」と言われていますが、もしも感染者が出た時にはどのような責任を誰が取るかという責任の所在がはっきりしていません。このように責任の所在がハッキリしていないものを私は信用しません。もしも100%防げるのなら絶対に責任は取らなくても済むのですから安心して「死んでお詫び致します」というようなことも国民に約束できるはずです。もしも、人への感染者が出た場合、どのような責任を取られるつもりなのでしょうか。
行政はいつも責任の取り方を追求されると話を逸らしたり逃げたりします。住基ネットの時もそうでした。ジャーナリストの桜井さんが大臣に「もしもの時にはどのような責任を取りますか?」と迫った時に大臣は話を逸らしごまかしました。この場面を見た時私は住基ネットは危ないと思いました。本当に大丈夫ならどのような責任を取るかを堂々と言えるはずです。
2002年6月9日、日曜日の『報道2001』で自由党の小沢党首が「何か事が起こると全部責任逃れをして、人のせいにして、こういう風潮がトップの政治家、そして、お役所自体がそういう体質を持っている。」、「責任回避、事なかれ主義、国民の生活や基本的権利を守るよりも先ず、自分たちの身の保全」というように発言されていました。まったく小沢党首の言われる通り行政は国民よりも自分たちの身の保全です。
農水省が一番懸念しなければならないのは恐怖心を煽る狂牛病という呼称の悪さで肉が売れなくなることを防ぐことではなく、人への感染を防ぐことではないでしょうか。獣医師ですら「全頭検査でほぼ100%防げる」と「ほぼ」と言わなくてはいけないくらい牛肉は完全に安全とは言えないものですから、日本で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者を出さないためにも小社は牛肉を食べないように啓蒙しなければいけないと思っています。そのためにも「BSE」とは恐いものだということを消費者の皆様に理解してもらうことが必要だと思っています。変異型CJDの患者を出さないためにも狂牛病とは恐いものということを啓蒙するのが行政の仕事です。しかし、行っていることは「BSEは全頭検査でほぼ100%防げるのです。」と安全性を強調して業界側に立ち、結局この狂牛病という呼称が消費者の恐怖感を煽り正確なリスク評価能力が狂ったら肉が売れなくなるということだけを懸念されているだけです。消費者のことはまったく考えていません。これもすべて業界側に立った考え方です。業界を守ることが保健所や農水省の仕事ではなく、国民や消費者のことを考えることが一番重要な保健所などの行政の仕事だと思います。このように消費者の気持ちをまったく分かってなく保身のことしか考えていない行政だから呼称にこだわるはずです。
消費者から見ますと本当にくだらないことです。実際に私の質問に答えられた小社のお得意様達は「バカみたい」とか「あほらしい」、「ただのごまかしじゃない」と言われていました。農水省など行政の考え方は絶対に変です。本当に行政はくだらないことにエネルギーを使い、肝心なことへは使わないのですね。狂牛病のニュースで肉をさばく所をよく見ましたが、肉を掴むのに蛍光染料で染めてある市販のタオルや軍手らしきものを使っていました。蛍光染料で染めているタオルやフキン、軍手を調理で使用することは食品に混和するおそれのあるものの使用や食べ物に触れるものの使用にあたりますので食品衛生法違反です。蛍光染料入りの合成洗剤でフキンやタオルを洗うことを止めさせたりすることも保健所の重要な仕事の一つだと思います。狂牛病だのBSEだの言葉の遊びをしていないで行政はジワジワと体や環境を蝕む蛍光染料のような慢性毒性に対してもっと厳しく取り締まっていただきたいと思います。
2002年10月
エコロジカル・ヘルシーショップ三友 桧垣史郎
引用・参考文献
『牛肉が食べたい』 里見 宏著・(株)ジャパンマシニスト社
『報道2001』フジテレビ・2002年6月9日放送
『声・本筋に戻そうBSEの怖さ』投稿者・山本睦子・朝日新聞・2002年9月14日付朝刊
『狂牛病という呼称について』某 市保健所からのメール・2002年10月4日
『狂牛病という呼称について』某 市保健所からのメール・2002年10月7日
『○○です。メールありがとうございました』某 獣医師からのメール・2002年10月11日