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肝臓が悪い人などが感染すると、手足が急激に壊死(えし)し、手当てが遅れると数時間から数日で死亡する「人食い菌」ビブリオ・ブルニフィカスが、国内の野生のカキから見つかった。夏は7割以上、秋は半数が陽性で、水温が低くなる冬でも2%から検出された。専門家は「肝臓が悪い人は、夏に限らず秋冬も生の魚介類は避けた方が安全だ」と話す。
麻布大環境保健学部の大仲賢二助手らは、98年10月〜00年11月の26カ月間、東京湾4カ所と徳島県5カ所で、野生カキ計2165個を採取し、ビブリオ・ブルニフィカスの有無を調べた。
その結果、全体の3割に当たる655個から菌が見つかった。季節別に見ると、夏(6〜8月)が最も多く、71%から見つかり、次いで秋(9〜11月)の48%、春(3〜5月)の5%、冬(12〜2月)の2%だった。海の泥からも同時に出ており、環境全体に菌がいることを示している。
この菌は、健康な人が食べても、まれに下痢をする程度だが、肝臓が悪い▽薬として鉄剤を飲んでいる▽糖尿病など免疫力が落ちる病気にかかっている▽毎日5合以上酒を飲む−−などの危険因子を持つ人が発病すると急激な筋肉の壊死を起こす。
米国では、メキシコ湾岸地域を中心に毎年約100人の被害者が出ており、原因のほとんどはカキの生食だ。
日本では、これまで生カキによる人食い菌被害はほとんど知られていない。専門家は、日本では市場に出るカキの衛生基準が、米国より厳しいからではないかと見る。
大仲助手は「海水中には菌がほとんどいなくなる秋、冬でも、カキの体内には菌が残る可能性があることが明らかになった」と話す。
(10:20)