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「異常プリオン」と呼ばれるたんぱく質が蓄積してしまい、脳神経が破壊されるクロイツフェルト・ヤコブ病の患者の脳に、神経組織を修復する幹細胞を直接移植して治療する研究に、札幌医大と帯広畜産大などが乗り出した。動物実験を始めているが、世界でも初とみられる研究で、BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)による人への異常プリオン感染さえ懸念される中、成果が注目される。
治療は、異常プリオンの毒性を中和する抗体(たんぱく質)を作り出す遺伝子を幹細胞に組み込んで、中枢神経の修復と異常プリオンの排除を同時に狙うというユニークなもの。
札幌医大では、新津洋司郎教授らが、脳梗塞(こうそく)などを起こしたマウスに多様な成長能力を持つ幹細胞を移植し、記憶力や運動機能を回復させる技術を確立。帯広畜産大では、品川森一教授らがBSE研究を通じて異常プリオンの毒性を効率よく中和する抗体を開発しており、両者の得意な技術を持ち寄ったうえで、幹細胞と抗体それぞれ数種類を使って、まず動物実験での成果を確認する。
マラリア治療薬などにヤコブ病の症状を一時的に改善する効果があることが分かっているが、薬が脳に届きにくいうえ、神経組織を修復する働きはなかった。
しかし、抗体の遺伝子を組み込んだ幹細胞を脳に定着させられれば、効率的な抗体の投与と神経の再生を進めることが可能となる。(読売新聞)
[8月23日16時10分更新]