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のどや鼻にスプレーするだけで、どんな型のインフルエンザも予防できる。そんな「夢のワクチン」の開発に、徳島大学分子酵素学研究センターの木戸博教授グループが帝人や日本ベーリンガーインゲルハイム(本社・兵庫県川西市)とともに取り組む。文部科学省は実現可能性が高いとみて、今後3年間で1億8000万円の研究費を投入する方針だ。
木戸さんはインフルエンザウイルスの感染を防ぐ体の機構として、ウイルスを攻撃する免疫グロブリンA(IgA)、包み込んでウイルスの動きを止める物質、ウイルス増殖に必要なたんぱく質の合成を阻害する物質、という三つを解明した。
これらの機構の働きを強めることで、のどや鼻の粘膜を経由して体に侵入する直前にウイルスを抑え込むスプレー式ワクチンの開発に取り組む。この方式だと、インフルエンザの型ごとにワクチンを作る必要はない。
たんを取り除くのに使われている飲み薬の塩酸アンブロキソールでワクチンの効果を上げることも考えている。動物実験では、粘膜にあるIgAの量を3倍以上に高めたり、ウイルスを包み込んで動きを止める物質を活性化したりすることを確認した。
粘膜の免疫力を上げて感染症を防ぐ新ワクチンは各国で研究されているが、まだ実用化のめどは立っていない。
木戸さんは「3年後には臨床試験を始めたい。実現すれば、感染症の死亡者が多い発展途上国に、安価で使いやすいワクチンを提供できる」と話す。
(08:23)