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(回答先: Re: 【補足】供給と需要 − 「政府紙幣」発行論者の陥穽 − 投稿者 需要側の人 日時 2002 年 11 月 13 日 02:54:14)
「需要側の人」さん、こんにちわ。
丹羽教授グループのサイトは一度覗いたことがあります。
「構造改革論者」や「インフレターゲット論者」よりもずっと高く評価しています。
最大の評価ポイントは、国民生活の維持や向上を現実分析や政策提言の基礎にしていることと、実効性のある政策提言になっていることです。(「インフレターゲット論者」も国民生活を重視している面では評価していますが、実効性で難があります)
「本陣」の掲示版の書き込みも実行したいと考えていますが、阿修羅サイトと切り離したかたちではなく、その転載にしたいと思っています。
ケイちゃんとの応答がそれなりにまとまったら、新たにまとめなおして実施したいと思っていますので、それまでのあいだ、「需要側の人」さんの手を煩わすことになりますが、ケイちゃんの『問題は、供給ではない。需要だ。』を参照URLとして本陣に書き込んでいただければ幸いです。
申し訳ありませんが、いただいたレスの全体的なレスは、ケイちゃんに対するレスで考慮させていただくことにさせてもらって、一点だけここで行います。
>私もケイさんと同様、政府紙幣を発行して、これを公共投資に用いるべきでは
>ないかと、直感的に思っています。単に直感的にそう思っているだけです。
赤字財政支出が長年にわたって日本のGDPを支えてきたことは現実ですし、90年代にはそのウェイトがさらに高まりました。これは、その需要が国民経済の産業連関形成に大きく関わってきたことを意味します。
現実主義に立てば、赤字財政支出ができない財政状況だからといって、赤字財政支出を減少させることはできないわけですから、赤字財政支出に代わる需要拡大策が必要ということになります。
「政府紙幣」を発行するとしても、経済の大きな枠組みが変わらない限り、公的債務の履行に限って使用すべきという考えです。
「公共投資」へというご提案ですが、「公共投資」を否定する立場ではありませんが、「公共投資」は徐々に減らし、その分を農業生産強化・介護サービス・リサイクル・再生可能エネルギー開発などに振り向けるべきだと考えています。
「公共投資」の場合、土地の取得・鉄鋼・セメント・輸送が中心になります。
土地の取得がそのまま需要に回ることもあるでしょうが、未利用地の取得であればそれに投じられたお金が貯蓄に回ってしまうことがあります。
鉄鋼・セメント・輸送も、鉄鉱石・原油・石炭など輸入財が使われていますから、その部分は外国の需要になります。
人的活動力に公的支出をできるだけ振り向けることで、国内需要の拡大がよりスムーズになると考えています。
高度成長期のように、公共投資が設備投資を誘引することで鉄鋼業などの生産性の上昇につながり、それが国際競争力を高め輸出の増加を実現するという経済段階ではないからです。