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日本国はアメリカと心中しようとしているのではあるまいか。
たしかにアメリカの豊かさとある種の先進性には魅力があった、
戦前ですらそうであったろうと思う。恐るべき裏の顔を
あえて見ずに語るならば、世界にこれほど先進性と言う点で
刺激的な魅力を持つ国は無いというのも事実かもしれない。
戦後日本はまさにそのアメリカの先進性と豊かさに絶望を癒す
希望を見出し、天皇を筆頭として日本国全体がアメリカを
新生国家の母体かつ父性として敬愛してきたと言っても
過言ではないのではなかろうか。
アメリカという保護者を得て初めて日本は世界と建設的関係を
結んで高度経済成長を為し得たと言っても、おかしくは無いと思う。
だが所詮アメリカは血のつながっていない身勝手な親で
あるだけではなく、建国以来このかた、常に自らが血で
汚した手を持て余して、俗な定説である「悪い事は出来ないものだ」
を地で行くがごとく足元が危うくおぼつかない。
しまいには日本に言う訳だ、「何故銃を取って親を助けない?」
アメリカにしてみればそれくらいの親孝行はあってしかるべき
なのだろう。その理屈は、実際のところ特におかしくない。
日本国は、とにかく今まで散々すがって育った絶対親権者の手を
離れて独立独歩の道など恐ろしくて考えられはしない。
「もしアメリカがダメなら、他に誰か居ないのか?」とすら
考えないだろうか。
そんな物は無い。
要するに今度はアメリカと一緒に敗戦だ。そうでなければ
一種の小アメリカとしてアメリカと全面的に共闘する道しか
あるまい。
結局、来るべき時が来れば日本国はアメリカと心中するのだ。
無理心中ではなく、同意の上で。
しかしその後は、もしかしたら新世界秩序が、新たな親を
求める日本に手を差し伸べる事になるのかもしれない。
そういう性を持つ日本国は幸せな国なのだろうか。