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不良債権処理加速で失業45万人 民間機関試算(朝日新聞)
第一生命経済研究所は28日、デフレ下で不良債権処理を加速した場合、04年度までに4万4000社が倒産、45万人が失業し、国内総生産(GDP)は6.7兆円減少するとの試算をまとめた。
主要行が抱える破綻(はたん)懸念先以下の不良債権15.4兆円を04年度までに処理することが前提で、この間に年率1%の物価下落と10%の地価下落が続くとすると、それだけで年間2.9兆円の不良債権が新たに発生すると試算。これらの新規発生分を合わせると、04年度までの不良債権の処理額は22.3兆円に膨らみ、8兆円の不良債権が残るとしている。
デフレの背景には16.5兆円の需要不足(GDPギャップ)があり、デフレ下での不良債権処理を解決するには、最大で30兆円規模の財政措置が必要だとしている。
一方、日本総合研究所は、竹中金融相が検討している「繰り延べ税金資産」の自己資本への参入基準を見直した場合、失業者は332万人増え、個人消費や設備投資の抑制などでGDPを6.4%押し下げると試算した。
4大銀行グループの自己資本比率は基準の見直しで平均6.59%に低下する。10%に回復させるためには、4大グループは93.2兆円の貸し出しなどの資産の圧縮が必要になり、この結果、急激な信用収縮が起きると指摘。実施時期を1年から2年延ばしても、その間は貸し渋りや貸しはがしなどの動きが強まると予測している。