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(回答先: 日本人の脳・倫理道徳基準は金もうけ主義でこわされた。 投稿者 70代男性 日時 2002 年 10 月 15 日 02:15:45)
重要なご指摘だと思います。
御説の通り、日本人の精神が荒廃しているのは事実だと思います。
ただ、これはいわゆる先進国が共通して抱える問題で、
伝統の破壊に嬉々として勤しんだツケを抱えて
苦しんでいるのは日本だけでは無いとも思います。
(伝統など殆ど無いどこかの国だけは事情が違うようですが・・・)
しかしながらそれに伴う精神荒廃(精神革命か?)は
日本が一番深刻なものになりうる可能性が高いです。
なぜなら戦後日本は自国と他国の戦争犯罪を、いわゆる自国民の
パージという形でしか断罪せず事実上全てを放免しています。
これ自体、今風に言えば致命的なモラルハザードで、
国民全てに、「国家の失策は天災のようなものだ、だから
信念など幾ら有っても所詮ケツも拭けない無価値なものなのだ、
然るに何もするな、風見鶏のように卑屈に要領よく生きろ」
と命令しているに等しいです。
それだけならいいのですが、さらに国を挙げて
自国防衛の概念を否定し放棄し、戦争の悪と惨禍のみをひたすら
教育しました。
アメリカの属国になったから、という前提は教えずに、
「外国の攻撃等有り得ない、だからそんなものに備える必要など無い」あるいは、
「あらゆる外国の攻撃は平和的手段で対応可能である」
このように驚異的な隷属がベースとなる詭弁を
本気で教育したのですから子供は無意識下で当惑し、
その現実とあまりにも乖離した内容に、倫理に対する
敬意を失ったと言えるでしょう。
社会と教育現場から実際に子供が得たものは、前述の
風見鶏至上主義と、この隷属正当化概念なのです。
このようにして、
「日本国は神に守られた無敵国家で、然るに誰の献身的努力も必要としない」
という、いわば戦前の程度をさらに超越した「神国日本」とでも言うような
異常な概念が国民的合意として形成される事になりました。
日本の精神荒廃や既存文化の破壊は、このような背景を
持っている以上全く不可避で、深刻で、修正がきわめて困難です。
むしろ、この程度で済んでいると
いう事に対しての運命に対する感謝と、異常で理不尽な
教育を受けてさえなお日本人が持ちうる
いくばくかの人間性に対する敬意を持っても決して不自然ではない
とすら言い得るのではないかと思います。